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『魔の森』そこは強力な魔物が住まう森
森に住む中で最弱であるスライムでさえ人を容易に屠る、ゴブリンが群れを作りさえすれば一国が滅ぶであろう
旧魔国伝記
「「ちょっと待てい!」」
「え?((ウォン?))」
勇者と魔王のツッコミでようやく彼らの存在に気づいた
「誰?」
「「今更!?」」
はぁ〜、と溜息をつきながら自己紹介をする2人
「へぇー、勇者と魔王ですかよろしく。俺はクオンっていう名前だ」
そうして握手を交わす3人
「ところでクオンとやら、そのウルフたちは一体…」
魔王はクオンの後ろでお座りしているウルフたちを指差しながら聞いた
「ん?この子達は俺の従魔ですがなにか」
「「じゅ、従魔だと!」」
またしても2人は驚く
「こうどな魔法を使うこのウルフかお主の従魔だと!?」
「………!?」
勇者は驚きを言葉にできていなかった
「?」
そんな2人にえ、なに?、と言いたげなクオン
「主よ、お話が」
そんな彼に突如現れた女性が話しかける。彼女の話を手を組みながら聞くクオン、話が終わり後ろに下がる女性「なるほどな」と呟くクオン。その2人の様子を見ていた魔王と勇者が
「その女性は一体…」
そう聞きたいがその言葉が出てこなかった。話を聞き終えたクオンから放たれる膨大な魔力に恐れていたからである
「あんたら、喧嘩していたって聞いたが事実か?」
ああん?と付け加えそうな形相で問いかけるクオンにブンブンと首を縦に振ることしか出来なかった魔王と勇者
「……ここで喧嘩はしないでくれ」
魔力を抑えそういったクオン