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キミと同じ空を見ている  作者: 林 琴美
第1章 ―3人+1人―
4/20

第4話 ―水野 美鈴 part2―

 昨日は第4話を公表できなくて、すみません!

 

 たばすこさん、感想本当にありがとうございました!私の力の源です。リクエストなども、どんどん送ってください!

  1


「私、もうここに来れない!」

「…え?」

 何、それ…。せりなさんが、もう、ここに来れない?私、とっさに叫んでいた。

「どういう事!?ウソはつかないで!」

 言ってから、ハッとした。せりなさんも、そらくんも、びっくりしている。

「ご、ごめんなさい。せりなさんが、もうここに来れないなんて、…信じられなくて。…どうして?」

「『ごめんなさい』って言うのはこっちだよ。実は―」

 せりなさんは、学校の友達との約束があり、そのせいでもうここに来れなくなるかも、と言った。

「…ひどいよ。せりなさん。私を一人にしないで!お願い、せりなさん…。」

 私がそう言うと、せりなさんの目がうるんでいた。

「本当に、ごめん。…急で。わたし、美鈴さんと空人くんの事は、一生忘れない。また、いつか、会えるよ。私達なら。私、なるべく空を見るようにするから。2人も見ててね。…じゃあ。」

 せりなさんはそう言い残し、走って帰って行った。最後まで笑顔だったせりなさんの顔に、涙がたくさんつたっていた事に気付いた私の目からも、涙がたくさんあふれていた。

「おい、美鈴ちゃん…。あれで良かったの?」

 そらくんが、さっきまでのせりなさんのように、ためらいがちに言ってきた。

「良くない…。」

「え?」

「良くないよ!」

「…。」

「そらくん、ごめん。私、帰る!」

 私もそらくんにそう言い残し、思いっきり走った。

「私って、サイテーだ…。」

 走りながら思わずそうつぶやいてしまって、心がもっと辛くなって、涙が止まらない。

 今日が人生で一番泣いた日だろう…、

 …一番?一番泣いたのは、いじめられた時?

 …違う。涙の種類が、違うの。今日は、嬉し涙をたくさん流した日。いじめられて流す涙とは、全然違うの…。


  2


 今日は、『空の秘密基地』に行くかすごい迷った。

 せりなさんがいないからじゃない。そらくんと顔を合わせるのが嫌だからじゃない。

 ただ、自分はもう、『空の秘密基地』に行く資格も道もないってこと。

 実は、昨日帰るのが遅かったから、家に着いた時にはお母さんが仕事から帰って来ていた。

 今までずっと『空の秘密基地』に行っている事も、学校から帰って来て外に出ていることさえも秘密にいていたのに、「毎日美鈴ちゃん、外に出て元気ねぇ~。」と隣の家のおばさんに言われて、全て白状しなければいけなかった。

 …せりなさんに、口止めしていた意味が、なくなった。せりなさんとの関係も。

 そらくんの事もお母さんに言ったら、「あら、そう。だからって、公立に行ってまで会いに行く必要があるの?」と私の心を見抜き、あっさりかわされてしまった。

 お母さんは『空の秘密基地』について何も言って来なかった。ただの子供の遊びだと思ったらしい。

 『せりなさん』の事を、学校の友達と思ったみたいで、「仲良くしている子がクラスにちゃんといるのね。」と、一人で納得していた。

 それで、もう二度と学校から帰った後外に出ちゃだめ、と言われてしまい、『空の秘密基地』に行く道がなくなった。それからセキュリティが厳しくなって、一歩でも外に出たらすぐわかるようになってしまった。

 でも、会いたいよ…。せりなさんとそらくんに会いたい…。話したい…。

 でも、ごめん。私もせりなさんのように、もう『空の秘密基地』に行けなくなってしまったから…。  ―つづく―

 第4話を読んでくださり、ありがとうございました。感想待ってます!


 今、第5話の主人公を誰にしようか、迷っています。リクエストがありましたら、送ってください!

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