βテスターとして キャラメイク 下里 空編
ああ、どうしようか。どうなるんだろう。社長さんにあんな事言わなければ良かった。はぁ。
「ねぇ、兄さん、落ち込まないで。言った方が良かったから大丈夫よ。」
話しかけたのは妹の和美だ。
「そんなこと言ってもなあ。」
「だから兄さんはダメなのよ。」
「ぐはっ。」
精神に大ダメージ!!
「運営が兄さんに変な事したら訴えるから大・丈・夫。」
「話してる位なら前を譲ってくれませんか?」
「すいません。速く行きます。」
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やっと着いたよ。
「カードをお取りください。」
えっと、僕のは115番か。
どこかな~、え~とあったな。和美は116番だから隣りだ。
「兄さん大丈夫よ。」
「ああ分かった。」
部屋に入る。パソコンとヘッドギアがある。パソコンの『マイ ファンタジー オンライン』を開き、ヘッドギアを着けた。目をつぶる。目を開く。
「わぁ。」
僕はMMOは普通に好きなだけで、普通に【剣士】で普通なスキルで普通な………普通な………。ここは、全てが分かれている。普通が一番。とわかるはずだ。だけど…………。
だがそんな思いを壊す位凄かった。
「ようこそ、115番さん?」
「え?ああ、うん。」
「名前はどうする?」
「空、ソラ、クウ……………クラウン。クラウンでお願いします。」
「クラウンっと。オリジナルスキルはどんなのが良い?」
「全ステータスUPで。」
「ハイ。じゃあ、スキル構成は?」
「ジョブ系はその動きのナビゲーションで武器系はその攻撃力、耐久力UPなのか。えっと、【剣士】と【剣】【盾】【攻撃上昇】【鍛冶】えっと、あ、【根性】かぁ、死んだとき15%の確率でHP1で復活か。【不屈】は状態異常の時全ステータスUPなんだ。この2つはレベルがあるみたいだ。入れておこう。」
「おいおい、大丈夫かい?君。騙されたりしない?」
「大丈夫ですよ。あとは、【魔力増加】【回復魔法】にしときます。」
「ええ?【剣士】なら【根性】じゃなくて、【火魔法】か【雷魔法】だと思うよ。」
「なら、言われたように【根性】を【雷魔法】にします。」
「次はステータスだよ。」
「えっと、攻撃、防御、素早さ、賢さの4つかぁ。ポイントは20だから、前から7、7、3、3にするね。」
「ここらへんは普通なんだね。最後、必殺技だよ。」
「攻撃力UPかな。」
「分かった。いってらっしゃい。」
「行ってきます。」
僕は光に包まれて消えた。
「必殺技の名前は【王の剣】で決定かな。スキルは【王の冠】。」