表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と奴隷少女の異世界生活  作者: 柊 ヤマト
第二章 街からの脱出
10/22

奴隷少女、行方不明

レディアが家を出てから3時間が経過した。

いくらなんでも遅すぎやしないか?

「早く帰ります」とか言っといて3時間もあのデカイおっさんと話すのか?

もしかして3時間が普通で3時間ぐらいで心配する俺がおかしいとか?


俺は時計塔の中でおっちゃんから貰った腕時計をみる。

流石に心配になってきた。

ちょっと外に出てレディアを探すか。


俺は時計塔から出て、街の人々に聞き込みを開始した。


「白いワンピースをした黒髪で顔が幼い女の子を見てないですか?」


俺は最初に沢山の食材を木箱に入れて抱えているおばさんに話しかけた。


「知らないねぇ、少なくともここには来てないんじゃないかい?」


ここには来ていない、確かにそうかもな。話をするだけなのにわざわざ服屋が並んでいる所には来ないだろう。もっと近場や飲食店を探すべきだ。


それから俺は街全体をめぐり、沢山の人に話しかけた。

だが皆口を揃って「見てない」という。

流石におかしい、あのゴスペルとか言う男もしかするとあの商人の仲間だったりするのか?レディアに前聞いたが、逃げた奴隷はレディアとゴスペルだけで後の奴隷は無残にも殺された。

俺はレディアとの会話を思い出す。

「私が逃げている時、門で仲間が商人に捕まり、兵士達に殺されていました」


なぜ門に商人がいるのか、まあいた理由はいくらかあるだろうが何かがおかしい。まず門は飲食店から反対側に存在する。その時兵士達は晩飯を食べていた様でその間にレディア達は脱獄したと言う。

兵士がいなくなった直後に脱獄計画を始めて奴隷達に伝えたゴスペル。


そして商人の本拠地は市場にある。

市場は飲食店からはかなり近い所にあるはずだ。

なぜ遠い反対側の門に兵士達を引き連れていたのだろうか?


あまり良い予想では無いが、ゴスペルが商人と手を組んでいるんじゃないのか?

あの商人はイカれた趣味を持っているのはレディアから聞いている。

なんでも絶望した顔がたまらなく好きだとか。

あの売れない奴隷達を殺している時、商人はにやけた表情をしていたらしい。


レディアは十分に警戒し、門まで近づき、殺されている奴隷を見て逃げ出した。

それ以外の奴隷は皆門の前で殺されていた。

商人は逃げ出そうとしている奴隷を待っていたんじゃないのか?

まるで前から知っていたかの様に。


だが商人はミスを犯した、それは奴隷を二人逃がした事だ。

あれから商人はレディアだけ探していた。

なぜレディアだけでゴスペルはいないんだ?

ゴスペルは巨体で逃げ出したら面倒臭いが兵士で囲み捕まえれば問題ないだろう


怪しい、レディア待っててくれ。今見つけに行くから。


「すいません、白いワンピースを着て黒髪で幼い顔をした女の子を見ませんでしたか?」


俺は必死の思いで街の人に聞く。

すると彼は細い道に指をさし。


「でかい男とこの道をほんと5分前ぐらいに見かけたよ?お嬢ちゃん血が出てたけど大丈夫なのかい?」


最悪な事になった。

俺が始めに気づいていれば。

レディアが家を出て3時間、俺がレディアを探して計4時間ほどが経過していた


ゴスペルはきっとレディアを時間をかけて痛めつけていたのだろう。

「お前をかくまっていた人間はだれだ?」

奴らは必ずこの質問を聞いてくる。

この質問に答えてしまったら用済みとしてレディアは殺されるだろう。

だが生きている、それはレディアが俺の事を黙ってくれていたと言う事だ。


そしてこの細い道の先は市場、あの商人の本拠地だ。


「すいません!これ借りていきます!」


俺は精肉店のテーブルに置かれていた肉切包丁を持つと、細い道を走り抜けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ