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カリブス国所属の歴史学者の研究日誌2

【カリブス王家<宝剣カリブス>】


 前述の通り、宝剣カリブスは多くの謎に包まれている。

この剣はいまだ、レキ=カリブスが突き刺してから一度たりとも抜かれた事がない。

周りから掘り起こそうとしても、剣が刺さっている周辺は鉄よりも硬い金属で出来ているかのような硬さなのだ。

そのため、一説では、彼の剣を抜くのは国家の危機を救う勇者ではないかと言われている程だ。


 そして、今現在この剣を見る事が出来る人間は限られている。

刺してあった場所はカリブス王城の中央になのだ。

限られた人間、それは私の様な歴史を研究する物や王族、一部の騎士のみだ。

私はこの剣を見た時、とてつもなく巨大な何かの前に居るような気さえした。

この国の王よりもそれは尊い存在のようにさえ見えたのだ。

こんな事を誰かに言っても信じてはもらえないだろうとは思う。

しかし、あの剣には神が宿っていると私は信じている。

出なければ400年も前の剣が存在する事は出来るであろうか?

私達人間が今だ理解できない物が、カリブス家の宝剣ではないのだろうか。


 宝剣カリブスがもしも抜かれた時が来るとしたらそれは、この国の危機の時なのかもしれない。

それは、とても恐ろしい事ではあるのだが。

私自身の学者の血とでも言うのだろうか。

その場に立ち会ってみたいと思ってしまう。




宝剣カリブスが世に出てから長い刻がたった。

しかし、いまだ宝剣カリブス以上の武器はこの世に出ていない。

これは、神が創った剣故ではないのだろうか。

これを知り合いの学者に話した時は笑われてしまったが、私はこの説は間違えてないと思っている。




 今となっては、カリブス家と宝剣カリブスの関係を全てわかる人物はこの世に居ないだろう。

もしも出会える事があるのなら、聞きたい程は山ほどあるというのに。


 何故、剣と家名を同じにしたのか、どうやってあの鉄から剣の形にする技術を考えたのか。

そして、カリブスとは一体どういう意味があるのか。

今の時代ではそのどれも知る事は適わない。

他の者達はカリブスとは<守護神>を意味する、実際はどうなのだろうか。

どのような思いでそう名づけたのか。

宝剣を作ったのは本当にレキ=カリブスという人物だったのだろうか。

疑問は次々と浮かんでくるが、答えは一向に知る事は出来ない。

だからこそ、私は歴史学者をやっているのだが。

いつか、全てを知る時は来るのだろうか。

その時が来るとしても、私は生きていないだろう。

何も知らないまま死ぬというのは恐ろしい物なのだと、今更ながらに気付かされた。

私は、生涯カリブス家の歴史を調べようと思っている。

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