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  作者: 中田 勘
3/3

お終END。

そこには、一人の男と、一人の女がいた。

そこには、一人の女と、一人の女がいた。

そこには、一人の男と、一人の女がいた。



重役。というか私こと陶陶陶とうどうすえの立場はトップである。

トップ。誰からも指図されない、でもそれは組織内限定の場合の話であって、一歩外にでれば世間に叩かれる。

世間。世間と口にすれば大抵の場合は身の回りのことを指している。世界の事ではないのだ。

世界。世界といえばここは世界の人々が集まっているな。


私ほど楽な仕事をしている者は居ないだろう。

果たしてこれを仕事と称しても良いものか。

いや、もっともこんな事で頭を悩ます必要なんてどこにも無い事は分かっている。

しかし、こんな事で頭を悩ます時間があるほど私は暇なのだ。

いかにも社長の座っていそうな黒の椅子、いかにも社長の使っていそうな茶色の机、後は何も無いと言っても過言無い訳が無い。

そんなことがあったら私は退屈すぎて死んでいるぞ。

ここには天国と地獄を見ることのできるテレビがある。

薄型のテレビだ。

普通ならガラスとか鏡とか望遠鏡とか、そういうものであって欲しかったが結局の所これが一番便利なのだ。

二画面対応、ステレオ、録画も出来て、番組表も出る。因みに番組表は使う事は無い。

これを眺めるだけが私の仕事、問題が起こったら部下に知らせる、ただそれだけ。

しかし、だ。問題が起こったら警察やら何やらが勝手に解決してしまう。即効性が大切なのは、分かるが。少しは仕事をさせて欲しいものだ。

究極的には私の仕事は責任取り程度だろう。

今日もぼんやりとテレビを眺めていると天国に一人、地獄に一人見知った顔があった。

速決断、しなくてはいけなかった。そいつら二人を呼び寄せた。


その部屋には一人の男と二人の女がいた。

「久しぶりだね。まさか死んでるとはねえ……。自殺と他殺か」

「死刑だけどな」

と男が言い。

「自覚はしてないけどね」

と女が言った。まだ中学生ぐらいだと思う。

「俺たちを呼んでどうするよ」

「それを決めるんでしょ」



死~現在


すべてを理解した。

なぜここに居るのか、ここが何処なのか、全部。

私は事故死でここは死後の世界の待合席のようなもの、3日経つと裁かれる。

とにかく退屈だった、ってことは無かった。

以前と変わらない町並みだったから、外人の目にはどんな風に映ってるんだろうと思った。

そんなことで3日経ち、当然他殺の私は天国行き。

天国とはゆったりとした所だと思っていた。間違いじゃあなかったが、天国住民がそうしてる。

みんな偉くなろうとしていた、いわゆる組織に入ろうとしていた。みんながそんなこと思わなかったら天国とはゆったりとした所になるのだ。

私も回りに流されて偉くなろうとした、そしたら上手くいってしまった。

もちろん楽な道のりじゃあなかった、ほんの数ヶ月でなれたわけじゃない4年間努力した。それでも別に本気でなろうとしたわけじゃないのだ。

おかげでこんな退屈な日々を遅らせられている。が、そのお陰で再開できたわけだが。


以上回想でした。



哉眼世の奴は地獄から救ってやった。リョウは元々いる、私も同様。

三人で家族だ。

なんで姓がみんな違うのか、それは私が死ぬと残った二人の姓が『吾眼』となり哉眼世が死んだ後、養子になったリョウは『三桜』となった。

まったく、ドラマよろしく『母親の早死に』が旦那を犯罪者に、娘を変人にしてしまうとは・・・。ドラマは立ち直るだろ。

死んだ順番でいうと私、哉眼世、リョウの順になる。

これからどうするかなんて決まっている。

無になるのだ。なりに行くのだ。無とは人以外の生き物と同等だ、人以外のものは死んでも天も地もない。無となる。

トップの私に逆らえるものは居ない、勿論家族だって例外じゃあない。

方法は簡単、死ねばいいのだ。

ここでは大抵は2度と家族と会えない。私がトップだったためにこうなってしまったのだ。

死なないはずの死後の世界でなぜトップが変更される事があるかというとこういうことだ、退屈で降りる奴らもいたし、無になりたくないから降りたやつもいたが。この事実、トップにならないと分からない。ずっと前のトップが書き残したルールだから組織の重役でも知らない。だからトップになりたがるやつが後を絶えないのだ。

なぜこのようなルールができたか、私はこう考える。死後の世界は会いたくても家族には会えない、たとえ家族が死んでいたとしても。しかし、会うという普通は現実不可能なことをしてしまった者は代償として無になる。

本当はいたずら書きだったかもしれない、もっと違う理由があったかもしれないしかし、守られてきたのだから破るわけには無かろう。

リョウなら変化を求める、とかいって破るかもしれないな。

「さて、行くか」と私が言い。

「ああ」と哉眼世が言い。

リョウは何も言わなかったがため息をついた。

三人は業火に囲まれていた。そして業火の中へと進んでいった。



無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無

無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無有無無無無無

有?



私はとある町に住んでいた、周りの人間はちゃんと生きている?誰かが私を覗き込んでいる。

ここは。現実。

他の二人は。無のまま。

ああ、そうか、私だけ生き返ったんだな。トップだったから、また死ななきゃならないんだ。

陶陶陶ただいま転生しましたーってか。はははッ。笑えねぇんだよ。

姿は・・・赤ん坊。二人に笑われるな。赤ん坊として転生しただなんて知られたら・・・・。

知られる事も、もう叶わないか・・・・・・・・。

意識がかすれていく・・・・・・・・。すべてを忘れ、ただの赤ん坊として再び生き始めるのか・・・・・・・・。

いくら死にたいと行っても、無になりたいと行っても、私だけ生き残った・・・・・・。あぁ、言い訳はしないさ・・・・・。



ごめんな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・―――――――――――――――――――――――――。

これが最終話です。

なんだか消化しきれないですよね。

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