調子に乗って水面を目指した結果、主(ぬし)にわからされた件
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進化して「俺、最強じゃね?」と調子に乗る主人公。
ですが、異世界(池の中)はそんなに甘くありませんでした。
二度目の「泡生」が、開始早々ピンチです!
水の剣、めちゃくちゃ強い。
さっきの魚たちをあっさりと切り刻んだ感触が、核に心地よく残っている。
「これなら、この池に敵はいないだろ」
俺は優雅に、そして弾丸のような速度で水面を目指して急上昇した。
ゆらゆらと揺れる太陽の光。
いよいよ、おさらばだ。この暗くて冷たい池の底とは。
だが。
水面まであと数メートルというところで、急に「視界」が暗くなった。
「……雲か?」
いや、違う。
下からだ。
池の底から、巨大な「何か」が猛烈な勢いで浮上してきている。
ゴボォッ! と水がうねる。
現れたのは、俺の数十倍はあろうかという巨体。
全身をどす黒い、岩のような鱗で覆った巨大なナマズ――『鎧ナマズ』だ。
「……デカすぎだろ」
そいつは、俺という「侵入者」を排除すべき敵と見なしたらしい。
濁った眼球が俺を捉え、太い髭がムチのようにしなった。
「やってやるよ! 今の俺は『ミスティック・ドロップ』なんだよ!」
俺は『形状記憶』を全開にし、全身をさらに鋭く、長い「水の槍」へと変形させた。
水流操作の加速を乗せ、ナマズの眉間を目掛けて突っ込む。
キィィィィン!
鋭い金属音が響いた。
刺さらない。
自慢の水の刃が、ナマズの鱗に弾かれて火花(水中だけど)を散らした。
「は……? 傷一つ付いてねぇぞ!?」
驚愕する俺に、ナマズの巨大な尾びれが迫る。
回避が間に合わない。
ドォォォォン!
凄まじい衝撃。
核が砕け散るかと思った。
俺の体(水滴)は四散し、かろうじて核の周りにしがみついている状態まで追い込まれる。
「……っ、クソが。物理攻撃が効かねぇのかよ!」
ナマズが大きな口を開ける。
吸い込まれたら終わりだ。
消化されて、今度こそ俺の人生――いや、泡生が幕を閉じる。
意識が遠のきかけたその時。
あの無機質な声が、再び脳内に響いた。
『緊急事態を確認。スキル【運命輪】をオーバーロードします』
視界に現れたルーレット。
だが、今の俺には「針を回す」気力さえ残っていない。
「……回れ。なんでもいい……こいつをブッ倒せるやつ、来いッ!」
祈りを込めて、俺は最後の魔力をルーレットに叩きつけた。
はい、お約束の「ボコボコ回」です。
進化したてのドヤ顔が、一瞬でナマズに粉砕されました。
「人生……いや泡生か」と自分にツッコミを入れてる場合じゃありません。
絶望の淵で再び現れたルーレット!
果たしてこの「物理無効」のバケモノを倒せる目が出るのか?
次回、第5話。逆転のルーレット、第3スピンです!
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