進化完了。……って、俺、水滴になった?
お待たせしました!
ついに最弱の「泡」を卒業する時が来ました。
スキル【運命輪】が引き寄せた、0.01%の進化先とは……?
ぜひお楽しみください!
視界を埋め尽くしていた白い光が、ゆっくりと引いていく。
感覚が、さっきまでとは全く違う。
ただゆらゆらと漂うだけだった「泡」の時とは大違いだ。
自分の中心に、ずっしりとした重みを感じる。
意識を向けると、そこには親指ほどの大きさの、透き通った青い宝石のような「核」があった。
「これが、俺……?」
核の周りを、驚くほど透明度の高い水が膜のように包み込んでいる。
見た目はまるで、水中を浮遊する一滴の巨大な雫だ。
試しに動いてみる。
水流を掴む感覚が、以前の数倍鋭い。
少し念じただけで、弾丸のように鋭く水中を加速することができた。
『個体進化を確認。スキル【形状記憶】が解放されました』
「形状記憶? さっき食ったものの形になれるのか……?」
ふと、背後に殺気を感じた。
振り返ると、そこにはさっきの魚よりも一回り大きな魔物が、三匹も群れていた。
泡の時なら、逃げることさえ絶望的だった光景。
だが、今は違う。
「実験台にはちょうどいい」
俺は『形状記憶』を発動させた。
イメージするのは、さっき喰らった魚の「牙」。
一瞬で、俺を包む水滴が形を変える。
透明な水の体が、鋭利な一振りの「剣」へと変形した。
「いける……!」
水流操作で一気に加速し、先頭の魚へ突っ込む。
すれ違いざま、水の刃が魚の胴体を一刀両断にした。
手応えさえない。
あまりの鋭さに、魚は自分が斬られたことさえ気づいていないようだった。
「これ、めちゃくちゃ強いぞ……!」
残りの二匹も、瞬く間に処理する。
少し前まで、死ぬほど怖かったはずの連中が、今はただの「動くエサ」にしか見えない。
『捕食を確認。魔素を取り込みます』
俺は散らばった獲物を包み込み、次々と核へと吸収していった。
この池で、俺はもはや最弱ではない。
俺は水面を見上げた。
ゆらゆらと揺れる光の先には、もっと広い世界があるはずだ。
「そろそろ、外に行ってみるか」
――だが、その時の俺はまだ知らなかった。
この池の「主」が、すぐ近くで目を覚まそうとしていることを。
ついに「泡」から「水滴」へと進化を遂げました!
形状記憶、これからかなり使い勝手が良さそうなスキルです。
しかし、調子に乗って水面を目指す主人公の前に、不穏な気配が……。
次回、池の「主」が登場!?
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