番外編:カツロの由来。絶望の底で掴んだ光
読んでいただきありがとうございます。
本編第21話で建国された「カツロ王国」。
なぜメグルはその名を選んだのか。
2日間、沈黙していた(キーボードが壊れていたw)間に、彼が核の奥底で反芻していた「前世の記憶」と「今の決意」を繋ぐ物語です。
かつて、俺の人生には「壁」しかなかった。
白河という、どこにでもある二文字の苗字。
灰色のオフィスでその名を呼ばれるたび、俺という個体は削り取られ、ただの交換可能な部品になっていった。
上司の罵声、終わらないルーチン、報われない努力。
あの世界で、俺が最後に欲しかったのは、莫大な富でも、誰もがひれ伏す権力でもなかった。
ただ一筋の、「活路」だ。
行き止まりの人生を突き破り、自分の意志で運命の針を動かすための、細く鋭い光。
目覚めたら、俺は一粒の泡だった。
手も足もなく、巨大なナマズに追われ、捕食者の影に怯える日々。
だが、俺はそこで初めて「自分のため」にルーレットを回した。
運命を呪う暇があるなら、一か八かの博打にすべてを賭けて、活路をこじ開ける道を選んだ。
今、俺の後ろには守るべき仲間たちがいる。
彼らもまた、この森の残酷な理に追い詰められ、行き止まりに立っていた者たちだ。
俺が彼らに与えるのは、単なる安全な城じゃない。
(……どんな絶望が来ても、必ず生き残る道を見つけ出す場所。……ここを『カツロ』と呼ぶのは、俺の執念だ)
白河という記号は、あの灰色の世界に置いてきた。
俺はメグル。
この国と共に、あらゆる困難の先に「活路」を巡らせてみせる。
ありがとうございました。
「カツロ(活路)」という名前に込められた、メグルの静かな覚悟。
自分の運命すらルーレットに乗せてきた彼だからこそ、その場所は「救い」ではなく「活路」でなければならなかったのです。
次回、第22話(今夜20時)。
ついに銀狼王の親衛隊が到着。しかし、そこにはメグルが仕掛けた「さらなる罠」が……。
新章・カツロ王国編、ここからが本番です。
ぜひ評価やブックマークで応援をお願いします!




