新章、カツロ王国。蒼銀の要塞の産声
読んでいただきありがとうございます。
本日より第2期【カツロ王国編】が始動します。
スペシャリストを喰らい尽くし、更なる変異を遂げたメグル。
二日間の沈黙の果て、彼が村の広場に再臨した時、そこにはもはや「生存圏」を越えた「国」としての胎動が始まっていました。
圧倒的な魔圧で世界を塗り替える、主の覚醒をお楽しみください。
嵐の前の静寂のような、しずかな二日間だった。
スペシャリストを喰らい、核の深部で荒れ狂う魔素をねじ伏せ、調整を終えた俺が、ようやく村の広場へと姿を現した。
その瞬間、広場を埋め尽くしていたコボルトと魔狼たちが、一斉に肺から空気を吐き出した。
恐怖、ではない。
あまりに濃密な「死」と「生」の気配が混ざり合った魔力に当てられ、本能が跪くことを強要されたのだ。
(……二日か。待たせたな)
俺の声は、もはや耳ではなく、奴らの魂に直接、冷たく響く。
空中へとふわりと浮き上がった俺の泡の体からは、核の回転に合わせて蒼銀の魔素が溢れ出し、広場の床を這う重たい霧となって、膝をつく奴らの足を容赦なく呑み込んでいく。
二日間の沈黙は、俺を別次元の怪物へと変えていた。
俺の背後には、スペシャリストを喰らった証である「漆黒の円環」が幾重にも重なり、絶え間なく周囲の魔素を啜り続けている。
シュヴァルツが、アザミが、フェンリスが。
かつて「三傑」と呼ばれた強者たちが、今はただの信徒のように床に額を擦りつけ、俺というバグを見上げている。
(ここはもう、ただの避難所じゃない。……絶望の中で俺が掴み取った『活路』だ。……今日からここを、【カツロ王国】と呼ぶことにする)
俺は核を音速で回転させ、調整し終えた膨大な魔素を、大地へと一気に流し込んだ。
――ズズズ、ドォォォォォン!!
大地が悲鳴を上げ、村を囲うように高さ十メートルを超える「蒼銀の防壁」が地底から突き出す。表面は俺の泡から溢れ出した魔銀でコーティングされ、あらゆる物理・魔法干渉を弾き返す、眩いばかりの城壁へと変貌した。
『派生複合能力:【蒼銀の結界】を展開します』
村の全域を包み込む、淡く輝く水のドーム。
それはただの盾じゃない。境界に触れた敵対者から、その生命力(魔素)を強引に、かつ永遠に吸い取り続ける、最凶の「魔力徴収機」だ。
「あぁ……主様の加護が、空を覆っていく……!」
歓喜に震え、涙で濡れた床に額を擦りつける者たちを、俺は冷徹な銀の円環越しに見下ろした。
(何者かはわからんが、そこにいるんだろ?お前たちの勢力もまるごと俺のルーレットで、一人残らず飲み込んでやる。……俺が、この国の理だ)
ありがとうございました。
ついに建国された【カツロ王国】。
リーダーを演じるのではなく、圧倒的な実力で君臨するメグルの本質を描きました。
なぜ「カツロ」なのか。
その由来については、明日の朝7時、特別番外編にて詳しく語られます。
キーボードを直している間に(笑)、メグルが核の奥底で見つめ直していた「想い」とは。
次回、第22話は明日の夜20時。
???種族の敵、この「結界」に絶望する回です。
続きが気になる方は、ぜひ評価やブックマークで応援お願いします!




