蒼銀の主。理を喰らい、極致へと至る
読んでいただきありがとうございます。
ついに第20話。第1章【蒼銀の守護者編】、堂々の完結です!
投稿が少し遅れてしまい申し訳ありません。1期の締めくくりとして、納得がいくまで内容を練り込み、最高に「濃い」進化シーンに仕上げました。
スペシャリストを喰らい、新たな「極」へと至るメグルの覚醒。
そして最後に試す「運命のルーレット」が導く奇跡を、その目で見届けてください!
静寂が、戦場を支配していた。
一粒の泡が放った、運命をねじ伏せる銀弾。それがスペシャリスト級の魔腐犬を消し飛ばした瞬間、残された敵兵たちは戦意を喪失し、蜘蛛の子を散らすように森の奥へと逃げ去っていった。
(……はぁ、はぁ。……マジで、一滴も残ってねぇな)
俺は、熱を持ち、空っぽになった核を冷ますように、エルナの手のひらへとゆっくりと着地した。
「運命の上書き(ラスト・スピン)」の代償は凄まじい。体内の魔素は枯渇し、泡の輪郭すら維持するのがやっとの、まさに命懸けの博打だった。
「主様! ご無事ですか……!?」
駆け寄るエルナの瞳には、涙が浮かんでいた。
背後からは、ボロボロになりながらも、畏怖と崇拝の入り混じった眼差しで俺を見つめるシュヴァルツ、アザミ、フェンリスが歩み寄る。
「主様……。自らの魂を削ってまで、我らをお救いいただき……」
シュヴァルツが深く頭を垂れる。
俺は「気にするな」と一跳ねして答え、目の前に転がる「極上のご馳走」――スペシャリストの残骸を見つめた。
(……さて、ここからが本当の『収穫』だ。……いただきます)
『固有権能【変幻捕食】発動。――対象:スペシャリスト級の魔素を完全吸収します』
泡の体から、枯渇した魔力を補うように無数の蒼い触手が伸びる。それは魔腐犬の残骸を強引に引きずり込み、その核に宿る高密度のエネルギーを根こそぎ飲み込んでいった。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ!!
核が、これまでにないほど激しく脈動する。空っぽだった器に、滝のような魔素が流れ込み、無理やり拡張されていく感覚。泡の表面には、捕食した銀の成分が複雑な魔紋となって浮かび上がり、それはやがて、主としての「格」を証明する銀の円環へと姿を変えた。
『承認。個体名:メグル。――【メグル=ミュータント(極)】へと至りました』
(……溢れるな。力が、そして「運」が巡りやがる)
俺はエルナの手からふわりと浮き上がり、試しに、空中で指先(触手)を弾いた。
進化した核の回転に合わせ、虚空に蒼いルーレットが展開される。
(……回れ。今の俺なら、どこにだって止められる気がするぜ)
……カチッ。
目にも止まらぬ速さで回転した針は、迷うことなく【金:超大当たり】のマスへと吸い込まれた。
直後、俺の周囲に虹色の魔素が爆発し、森の木々が一斉に活性化して芽吹き始める。ただの試し回しが、一帯を聖域化させるほどの奇跡を引き起こしたのだ。
「あぁ……なんという……。やはり主様こそが、この森の真の守護者……」
跪く者たちの歓声が響き渡る。
だが、俺の魔力探知は捉えていた。
森のさらに深い場所。銀の玉座に座る「彼」が、不敵な笑みを浮かべて立ち上がるのを。
「……面白い。その泡、我が直属を屠ったか。……次は、私が遊んでやろう」
運命はまだ、巡り始めたばかりだ。
【第1期:蒼銀の守護者編 完結】
読んでいただきありがとうございました!
ついにスペシャリストを喰らい、「ミュータント(極)」へと至ったメグル。
第1期を応援していただき、本当にありがとうございました!
ここで改めてランクをおさらいします。
・コモン(凡庸種)
・ミュータント(変異種) ← 現在:メグル=ミュータント(極)
・アノマリー(異常個体)
・スペシャリスト(特化権能者)
・ハイマスター(至高の完成体)
・レジェンダリー(伝説の覇者)
この興奮冷めやらぬまま、明日の朝7時からは第2期【森の覇者・銀狼王編】が即座にスタートします!
泡から成り上がったメグルと、森の絶対強者・銀狼王の全面戦争。
引き続き「ちびちび作戦」で最高クオリティの内容を畳み掛けますので、ぜひ評価やブックマークで応援をお願いします!




