降伏か死か。魂に刻まれる銀の主従
読んでいただきありがとうございます!
魔銀狼を撃破した主人公。
ですが、彼はただ殺すのではなく、独自の権能【真名の刻印】で彼らを支配下に置くことを選びます。
敵が味方に変わる瞬間。最強の「銀の軍団」が産声を上げます!
白銀の装甲を纏った俺の姿に、生き残った数匹の魔銀狼たちが戦慄していた。
リーダーを失い、かつて格下と見なしていた「水」に圧倒された彼らは、もはや戦う意志を失い、喉を鳴らして地面に平伏している。
(……こいつら、殺すのは簡単だが……)
俺は、隣に立つエルナを見つめた。
彼女一人では、いずれ来るであろう本隊のすべてを防ぎきることは難しい。
ならば、この「銀の力」を逆に利用してやる。
「主様……奴らを、どうなさいますか?」
エルナが冷徹な瞳で杖を向ける。
俺は一歩前に出ると、銀の爪で地面を鋭く叩いた。
(……おい、お前ら。死にたくなければ、俺の『一部』を受け入れろ)
俺の核から、青く輝く数滴の「雫」が分離し、震える狼たちの前に浮かぶ。
それは俺の魔力の結晶であり、魂を繋ぐための【真名の刻印】だ。
一匹の狼が、覚悟を決めたようにその雫を飲み込んだ。
『固有権能【真名の刻印】を実行します』
キィィィィィン! と鋭い音が響き、狼の魂に俺の魔力の文字が焼き付けられていく。
それは声に出す「名前」ではない。
彼らの心の中に直接刻まれた、俺への絶対的な服従を示す「真実の証」だ。
瞬間、狼の毛並みがより純粋な銀色へと輝き、その瞳が俺と同じ深い青へと染まった。
『成功。対象を「従属種」として再定義。――【蒼銀の魔狼】へと進化しました』
「グルゥ……ッ!」
進化した狼は、俺に対して深々と頭を垂れた。
言葉は交わさない。だが、俺の心の中には、彼らの魂が俺の支配下にあるという確かな重みが伝わってきた。
他の生き残りたちも、次々と雫を飲み込んでいく。
(よし。これで、村の防衛戦力は整った)
かつて村を襲った「捕食者」が、今は俺の「兵隊」として並んでいる。
これなら、銀狼王の本隊が来ても面白いことになりそうだ。
「……さすがは主様。敵さえも糧にされるのですね」
エルナが畏怖と尊敬の入り混じった眼差しで微笑む。
俺の「泡生」は、ただの生存競争から、一歩ずつ「国造り」へと足を踏み出していた。
読んでいただきありがとうございました!
ついに「配下」が増えました。
名付けではなく、魔力を分け与えて魂に直接刻むスタイル。
次回、第14話。
本隊襲来に備え、進化したエルナと魔狼たちによる「村の要塞化」が始まります。
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