銀装の水狼。ハズレの泡から生まれる最強の外殻
読んでいただきありがとうございます!
ハズレを引いたピンチをチャンスに変え、ついに主人公が「銀装」を手に入れました。
洗剤の泡がまさかの「分解促進剤」になるという、ギャンブルスキルならではの怪我の功名。
圧倒的なビジュアルへと進化した主人公。
震える狼たちに、彼は「死」ではなく「支配」を突きつけます。
泡だらけの体で、俺はエルナが仕留めた魔銀狼の死骸を飲み込んだ。
本来なら分解に時間がかかるはずの硬質な銀の毛皮が、ハズレで引いた「洗剤」の成分と混ざり合い、ドロドロに溶けて俺の核へと吸収されていく。
(……熱い。ナマズの時とは比べものにならねぇ魔素の奔流だ!)
核が激しく脈動し、俺の「水」の性質を根本から書き換えていく。
柔軟な水の内側に、ナマズの硬い鱗を「骨格」として組み込み、その表面をマギルの魔導銀がコーティングしていく。
『エクストラスキル【変幻捕食】情報の統合を完了。――【銀装・水狼形態】へと移行します』
シュアァァァッ! と蒸気が吹き上がる。
泡が弾け、霧が晴れた中心に、それは立っていた。
大きさはかつての魔銀狼を一回り上回る。
全身を白銀の毛並みを模した鋭い装甲が覆い、その隙間からは深い青色の魔力が炎のように揺らめいている。
見た目は、月光を反射する鋼の獣。だがその本質は、どんな形状にも変化し、あらゆる衝撃を逃がす「生きた銀の水」だ。
「……主様。なんて、神々しい……」
傍らに控えるエルナが、感嘆の吐息を漏らす。
俺は新しく手に入れた銀の爪で、地面を軽く撫でた。
硬い岩が、紙細工のようにバターを切り裂く感触で両断される。
(……これだ。これなら、あの銀狼の王とやらも、ただのエサにしか見えねぇな)
生き残った数匹の魔銀狼たちが、主を超えた存在の誕生に、恐怖で動けずにいた。
尻尾を巻き、喉を鳴らして平伏するその姿は、もはや「捕食者」のそれではない。
俺は冷徹な銀の瞳で、震える狼たちを見下ろした。
こいつらをただ殺すのは容易い。だが、この圧倒的な力を見せつけた今なら、別の選択肢がある。
(……おい、お前ら。死にたくなければ、俺の『一部』を受け入れろ)
俺は核から、青く輝く数滴の「雫」を分離させた。
読んでいただきありがとうございました!
殲滅するかと思いきや、圧倒的な力で屈服させる方を選びました。
次回、第13話。
残った狼たちに「真名の刻印」を刻み、最初の軍団を作る儀式。
最弱だった泡が、部下を率いる「王」へと成り上がる瞬間です!
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