転生先は、最弱の「泡」でした。
数ある作品の中から見つけていただきありがとうございます!
どん底から這い上がる「泡」の物語、スタートです。
最悪だ。
視界いっぱいに広がる光。迫ってくる衝撃。
次の瞬間、俺の意識は途切れた。
気づくと、そこは真っ暗な空間だった。
目の前には、巨大な円盤。
「……は?」
円盤には無数の文字が刻まれている。
ドラゴン。人間。ゴブリン。精霊。
そして、バブルレイス。
『転生先を決定します』
無機質な声が響くと同時に、針が猛烈な速さで回り始めた。
「おい、ちょっと待っ!」
針が徐々に減速する。ドラゴンをかすめ、人間を通り過ぎる。
そして、カチッ。
『転生先:バブルレイス』
「ふざけんな!!」
気づけば、俺は水の中にいた。
体がない。手も足もない。ゆらゆらと揺れる、ただの「泡」。
「終わってるだろ、これ……」
絶望の中、近くの海藻に触れる。するとスッと、体の中に溶け込んだ。
その瞬間、体がほんの少し大きくなる。
「……これ、いけるのか?」
俺は夢中で海藻を取り込んだ。吸う、吸う、吸う。
体が膨らんでいく。もっと食えば強くなれる――そう確信した時だった。
「……あれ?」
急に、体が重くなった。
取り込みすぎた海藻の重みで、浮力が死んでいる。
水に流されることもできず、鈍く底を這うような動きしかできない。
マズい。欲張りすぎた。
そう思った瞬間、巨大な影が差し、魚の魔物が牙を剥いて突っ込んできた。
体が重くて、逃げることすらままならない。
「やばっ!」
『スキルを確認:微捕食者、多重分裂、運命輪』
『運命輪、起動』
視界にルーレットが現れる。盤面には『水流操作』『一時硬化』……そして『空白』。
「回せ! 何でもいい、当たれ!」
カチ、カチ、と音を立てて針が止まる。
『効果付与:水流操作(短時間)』
「来た!!」
周囲の水を強引に掴み、噴射するように一気に加速。
鈍重だった体が、弾丸のように魚の牙をかわして横へ回り込む。
「今度はこっちの番だ。喰えッ!!」
全身を広げ、魚の頭を包み込む。
『微捕食者』で魚の一部を引きちぎり、俺の中に溶かしていく。
やがて、あの無機質な声が再び響いた。
『捕食を確認。条件達成により進化が可能になりました』
俺は確信した。俺はただの泡じゃない。
この理不尽なギャンブルを、勝ち抜いてやる。
読んでいただきありがとうございました!
ついに「進化」の時が来ました。
次回、第2話「進化先もルーレット。俺、泡をやめるってよ(仮)」
果たして何に進化するのか……お楽しみに!
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