表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999の勇者だけど何か用?  作者: 限界まで足掻いた人生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/18

第16話:配置された獲物

ダウナー受付嬢は、カウンターの下から古びた広域地図を取り出した。

彼女は細い指先で、王都から俺が歩いてきた道筋をなぞる。


「……見て。昨日の峡谷の場所、それから今日の牙狼の出没地点」


彼女がペンで印をつけた場所を繋ぎ合わせると、一つの事実が浮かび上がった。

それは偶然の配置にしては、あまりにも整合性が取れすぎていた。


「これ、全部『あなたの進行方向』に配置されてる。まるで、あなたがそこを通るのを分かっていて、網を張っていたみたいに」


「……え」


喉の奥が引き攣るような感覚に襲われた。

偶然、不運な場所で魔物に襲われたのではなかった。

俺が歩く先に、あらかじめ殺意が用意されていたのだ。


「あなたのデータはまだギルドにも詳しく登録されてないはず。なのに、あなたの歩数や速度を計算して、待ち伏せを仕掛けている誰かがいる」


彼女は眠そうな目を細め、静かに、だが確信を持って告げた。


「三浦さん。あなたは偶然の被害者じゃない。……明確に、狙い撃ちにされている獲物だよ」


ゾッとした。

前の世界での嫌がらせは、せいぜい机にゴミを入れられるか、聞こえるように悪口を言われる程度だった。

だが、この世界の理不尽は、大地を削り、群れを差し向け、物理的な死をもって俺を追い詰めてくる。


誰だ。誰がそんなことをしている。


俺の背後で、森の木々が不自然にざわめいた。

冷たい汗が背筋を伝い、呼吸が浅くなる。

監視されている。

今の言葉を聞いていたかのように、周囲の温度が数度下がった気がした。


俺はたまらず、ギルドの裏手にある静かな森の入り口へと足を向けた。

人混みから逃れたかった。

だが、その選択すらも、相手の計算通りだったのかもしれない。


静寂に包まれた森の奥。

鳥の鳴き声すら消え、不気味なほどに凪いだ空気の中で。


その声は、唐突に、爆発的な音量で響き渡った。


「ちーがーうーだろ!!」


耳を劈くような、狂気を帯びた叫び声。

俺は全身の毛が逆立つのを感じながら、ゆっくりと、その声のした方へと視線を向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ