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君と分け合うホットケーキ

作者: 道上 萌叶
掲載日:2025/12/20

 ホカホカ優しくて、甘い香りが漂っている。ポテっとバターを落とすと、ホットケーキに触れているところからジュンワリ融けていく。


「怜菜ちゃん、できたよ」


 お皿に盛ったホットケーキと、ミルクたっぷりのミルクティーをテーブルに置き、ソファで絵本を読んでいた姪を呼ぶ。


「わあ!すごい!あいりちゃんのホットケーキ、バターがのってる!」


「姉さん、お母さんが作ってくれるホットケーキには、はちみつかな?」


「うん。たっぷりかかっているよ」


「あはは、姉さんらしい」


 今日から小学校の冬休み。姉夫婦は仕事があり、大学の冬休みでバイトも休みだった私が、今日1日姪を預かることになった。

 姪は今年1年生。姉と10歳以上年が離れている私は、姪が生まれた時まだ13歳、中学生だった。姪というよりも、姉と同じくらい年の離れた、妹の様な存在だ。


「火傷しないように気を付けてね」


「うん!いただきまーす!」


 ふうふう、小さな口で息を吹きかけて冷ました姪は、一口サイズに切ったホットケーキを口に運ぶ。


「んー!バターのホットケーキもおいしいね!」


「でしょ。私ははちみつよりバター派だな」


 姪と同じ小学生の頃、姉はよくホットケーキを作ってくれた。いつも2人で半分こして食べていたホットケーキは、甘党の姉好みの、はちみつたっぷりのものだった。小学生の、低学年くらいまでは、私のホットケーキははちみつたっぷりのものだった。

 バターを乗せるようになったのは、テレビでバターが乗ったホットケーキが出ていたからだ。バターを乗せて食べてみたいと姉に言った日、私は初めてバターのホットケーキを食べた。それまでは甘かったホットケーキが、甘じょっぱくなってとても美味しかった。


「でも、時々食べると、やっぱりおいしいんだよね」


「じゃあ、今度ママにおねがいしよう!作ってって」


「うん。そうしようかな」


 あれから、私と姉はホットケーキを半分こすることはなかった。作ってくれないわけじゃなくて、私のにはバターを乗せて、姉のにははちみつをかけるようになったからだ。

 今日は姪とバターのホットケーキを分けて食べている。いつかは姪にも、好みのホットケーキができるかもしれない。でもそうなる前に、今度は姉と姪と私の3人で、はちみつたっぷりのホットケーキを分け合ってもいいかもしれない。幼い頃を思い出して。

私はホットケーキには何もかけない派です。

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