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少年は、全てを捨て復讐者となる。~Another World~   作者: 高瀬利糸
第五部〜テサー王国革命編〜

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47章〜End flash〜

 フラマが先頭でスモークグレネードを投げ込み、一斉に階段を駆け上がる。

 ツノを出して吸血鬼の姿になりナイフを構える。


「リエルと……ノックスだったか?私は君たちの攻撃を避けるから遠距離攻撃も使って大丈夫だ」

 避ける?私とノックスは身体強化で常人よりは見えるけど、マスターは視界ゼロで飛び道具を避けられるわけがない。


「見えるんですか?」

「いや、呼吸音を聞けば余裕でわかる。君たちの音は覚えた」


 呼吸音を覚えるという訳のわからないことを言い出したので、私は思考を諦め、戦闘に備えた。

 基本は近接攻撃で立ち回り、あくまで遠距離攻撃は最終手段として。


 一階に上がってもなお、通気性の悪いバーの中では煙が充満していた。


「銃は撃つな!仲間に当たるぞ!」

 進路上にいる兵士をフラマが倒しながら、5人は外に出ることに成功する。


「外に逃げました!」

「一班と二班!追いかけろ!」

 私たちは地下倉庫にあった爆竹などで統制を取れないようにしていたが、それに動じずに分担して兄さん達を30人ほどが追いかけ出した。


 玲人兄さんが戦えない状況で30人はしんどすぎる!

 入り口に向かう敵をなんとか倒しにいこうするが、目の前兵士を一度切り付けたせいで、反撃の拳が飛んでくる。


 兵士は闇雲に拳を放つが、不幸にも私の顔面に真っ直ぐと来て、私は避けるために体勢を崩した。


 兵士が次々と入り口から出ていく。


「リエル!ノックス!……その敵に集中しろ!」

 マスターの声が室内に響いた。


 その兵士に止めを刺した後に入口の方を向くと、そこに十数人の兵士が積み重なっていた。


 ……まさかマスターが?

 私が1人を倒す時間の間に、目の見えないマスターがあの人数を?


「……そこか!」

 煙が少し消え始め、近くの兵士が私に広刃剣で切り掛かる。


 しかし、焦りからかその軌道がぶれている。

 当たっても大したダメージにはならないが、振り下ろされた刃を避けて入り込み、男を殴り飛ばした。

 近くから敵を離した瞬間、もう一度スモークグレネードを部屋の中心に投げて視界を消す。


 今の私の立ち位置を覚えていたらしい兵士を軽く避けて、頭を殴って床に叩きつける。


 次の敵は……

 ……!?


 後ろから体を取り押さえられていた。

 ……抵抗しようとするも体が動かない。


「私だ」

 マスターの声が聞こえて拘束が解かれる。

「……本当に死んだかと思ったじゃん」

「それは悪かった。こうしないと敵と間違われて攻撃される可能性があったからな」


 ……そういえば今全く気配を感じなかった。殺気は立たないにしても気配や足音すら感じなかった。

「マスターは元々何をしていたの?」

「ここは戦場。その話は後だ」


 後ろから忍び寄っていた兵士をノールックで刺した。

「かなり良い動きだ」

 刃を抜き、死体を入口の方へと蹴飛ばす。


「で、伝えに来たのはこれ以上スモークグレネードはいらなということだけだ」

「……敵は?」

「あと数人だ」

「どうして分かるの?」

 私の視界でも部屋全体を見渡すことはほとんど不可能だ。


「音だ。大体敵は5人ってとこかな」


 お互いに敵を視認できず、煙が上がるまで硬直状態が続く。



「な……何故だ」

 司令官の隣の副官が声を上げた。


 敵はマスターの言う通りぴったり5人だった。

 司令官と副官らしき2人。そして即座に私達に銃を構えた2人の一般兵士。


「撃つな」

 小さく、しかしはっきりとした司令官の声が響いた。


「司令官?」

 二人の兵士が恐る恐る銃を下ろす。


「悪いな」

 司令官が指を鳴らした瞬間、兵士が仰向けに倒れ込んだ。


 ……!?

 味方を倒した?いやそれ以前にどうやって?


「『呪い』だよ。こいつらに見せると少しばかり都合が悪かったからな」

 司令官の背中から羽が生える。しかしそれは吸血鬼のものではない。


 ……悪魔……?


 吸血鬼と同じく人間に絶滅させられたと言い伝えられる、伝説上の生物。悪魔。

 昔見た本と完全に姿が一致する。


「あ、もちろん本物の悪魔じゃないよ。あの研究施設……君なら分かるよね……001」


「リエル姉……知り合いなの?」

「いや、一方的な知り合いだと思う」

 あんな水槽で拷問を受け続けた時間のことは記憶がほとんどないし、当時も思考はほとんど回っていなかったはずだ。


「お前達は本部に戻って被害状況の報告をしろ」

「はっ」


 二人の姿が消えていく?吸血鬼が消滅する時のように副官の二人が消えていった。

「テレポーションだ。もちろん制約もあるが……そんなことを話しても時間の無駄か」

 司令官が空中に謎の光で魔法陣のようなものを描き始める。


「おそらくあれが完成したら終わりだ!」

 マスターが叫びながら銃を発砲する。が、見えない壁のようなものに挟まれて弾けれる


「近接攻撃をするしか……!」

 ノックスがダガーナイフを持って斬りかかろうとするが、同じく見えない壁に阻まれる。


「……もう時間は稼げたし一回撤退しよう!」

 私は入り口から出ようとしたが、同じくそこにも見えない壁があった。


「うおらぁぁぁっっっ!」

 頑丈な壁をノックスが壊そうとするが壁はびくともしない。


「こっちも効果を受けてるのか……」

「いや……それは元からだ」

「「は?」」

「核爆弾が降ってきてもぶっ壊れることはない壁のはず……」

「逃走に向いてねぇ……」

 3人ともかなり悟り始めたのか絶望を超えて笑みが溢れる。


「……終わりの時間だ……Black impact」

 私達の目の前に黒色の波が押し寄せた。

何度も延期になってしまいすみません。

課題テストの勉強のために30日と1日の投稿もお休みさせていただきま


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