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少年は、全てを捨て復讐者となる。~Another World~   作者: 高瀬利糸
第五部〜テサー王国革命編〜

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45章〜捨て奸〜

 兵士が一斉に銃を構えるが、隠れている俺達を見つけられず一瞬銃口から手を離した瞬間、兵士の体が燃え上がった。


 突然の人体発火現象に兵士達が少し混乱状態になった隙に、俺たちは一斉に射撃を開始した。

 敵の数は圧倒的不利。でもあの狭い入り口なら数の利は生かしにくいはず!


 しかし、兵士たちは訓練された動きで即座に撤退を開始した。


 ……!落ち着かれると厄介だ……!

 慌てて体を乗り出して逃げる兵士達に銃を撃つ。


 一発打った瞬間、銃を取り落とした。

 右肩が……撃たれている……?


 背中を向けて反撃しないと思いこんだのがミスだった。

 兵士達の最後尾で数名がこちらを向いて銃を向けたまま死んでいた。


「チッ……捨て奸(すてがまり)か……」

 被害を最小限に食い止めるために数人を犠牲にする戦法に騙された。


 何度も銃に撃たれる経験しているせいで慣れてしまっているが、右腕が使えない以上銃を使うのがかなり厳しい。

 ……もう一回攻めてきたら……


「……想定よりは圧倒的に良かったね」

 リエルが銃をリロードしながら苦い顔を浮かべる。

 吸血鬼の能力ですぐに回復しているが頭に銃で撃たれた跡があった。



『……厄介だな……地の利を最大限活かせていない』

『機械兵を呼びますか?』

『あぁ頼む……それまではこれを使って長期戦だ』

『了解です』


「……長期戦……包囲でもする気なのか?」

「いや、もう一回近距離の銃かなんかで突撃するとかじゃない」

「……"これ"が何かが問題だな」

 フラマ達がどう対策するべきか迷走している。


「私だったら安全な兵器で上から攻撃すると思うがな、毒ガs……」

 マスターが意見を話し始めた瞬間、パイプから金属ピンが抜ける音が聞こえた。


 ……何の音だ?

 全員何の音か分からなかったが、マスターだけは一瞬で気づいた。

「何かの影に隠れろ!手榴弾だ!」


 全員が近くの物陰に隠れるが玲人の反応が一瞬遅れた。

「玲人!」

 物陰に引き込もうとしたがフラマに手を掴まれた。


「……何で……!」


 手榴弾が部屋の地面に着地する。

 部屋に大爆発が起きて耳を持っていかれた。


「……!」

 爆発後玲人が地面に倒れ込んでいた。

 息はしてるけど……頭から血が…………


「早く物陰に引き入れて!」

 フラマが引き入れるのを手伝ってくれる。


「玲人は……!」

「その出血は……」

 再び爆発音が響いてマスターの声が遮られる。


「なんて言った!」

「その出血は私が投げた石だ!」


 話の合間に何度も手榴弾が投げ込まれてくる。


 石を投げつける?

「手榴弾の主なダメージは手榴弾の破片が体に当たることなの。だから、足を手榴弾に向けると生存率が大きく上がるからだと思う」

 俺の疑問にはフラマが代わりに答えてくれた。



 その後もグレネードが投げ込まれ続けるが、10ベルほどすると手榴弾の投げ込みが止んだ。

「……底を尽きたのか……?」

 意識を取り戻した玲人が立ち上がる。


「伏せて!」

 フラマの一瞬の判断が玲人を救った。

 最後に大量の手榴弾が投げ込まれる。


『……おそらくまだ生きています』

『くそ……機械兵はまだか!』

『それが……こちらに来る途中に革命軍に襲われたらしく再び要請しているところです……』

『……小賢しい革命軍どもが……』


「……機械兵って何なんだ……?」

「確か兵器とかを扱う兵士じゃないか?」

「そう。最近、突然強すぎる毒ガスなんかが使われているのよね」

 ……毒ガスや閃光弾が投げ込まれたら本当に詰みだ。


 毒ガスを防ぐ術はないし、閃光弾の爆音を防ぐには特殊な耳栓が必要だ。


「おそらく革命軍のみんなが気づいて妨害してくれているんだと思う。けど、二回目の妨害はあまり期待できないかな……」

「……そうなると二択か」

 ルーメンが資材の箱を移動して壁を補強する。


「脱出するか、立てこもり続けるかだよね」


「どうする?俺はリーダーにしたがうぜ」

「私も同じく」

 サブリーダーの二人はフラマを見つめて判断を待つ。


「新参者の俺たちも同じだ」

 俺たちの方を向いたフラマに対して玲人が代表して答える。


 マスターは黙って頷いた。


「……この作戦なら……いや、それはみんなが危険……」

「どういう作戦なんだ?」

「ノックス……」

「いいから話して」


「煙幕を投げ込んだ隙に全員で強行突破。私は捨て奸になるけど私だけじゃ防げないかもしれない……」

「僕と姉ちゃんが捨て奸になる」

 ノックスが倉庫にあったダガーナイフを取り出した。


「でもそれだったら……」

「もちろん捨てられる気は毛頭ない」

 ノックスが軽快に笑った。


「……私も残ろう」

「じゃあ……そうしよう」

 フラマは悩んだ末にマスターが残ると聞いて了承した。




「じゃあ行くよ」

 全員が武器を構えて入り口の隅に隠れる。


「3……2……1……突入!」

 スモークグレネードを上に投げ込み、フラマを先頭に上へと走り込む。

 階段を登る途中でももう一発投げ込み、煙が常にあるようにする。


「銃は撃つな!仲間に当たるぞ!」

 進路上にいる兵士はフラマが刺し、俺たちは外に出ることに成功する。


「外に逃げました!」

「一班と二班!追いかけろ!」

 三人の妨害があってもなお、上手い連携で俺たちを十数人の兵士が追い始めた。

次回は18日月曜日に投稿します。

X(@riitotakase)で、裏設定などを投稿しています!


19日火曜日に延期します。


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