第7話 ももと競争
もも先に出かけた。
あたしも行く!
あたしと添い寝した狼さんに乗る。狼さんの頭なでなで。
「狼さん、行くよぉ〜」
『すみちゃん行きましょう』
狼さん走る早い。
タッタッタッ
「もも見えない」
『向こうから何か来ます』
「もも?」
ビューン
車みたい。通り過ぎて行った。
『ももちゃんでしたね。こっちに戻って来ますよ』
また車みたいにビューンって。通り過ぎた。小川にまだ着いていない。
また来た!
「ももぉー」
もも通り過ぎて行った。
むむむっ!
『すみちゃん戻りますか』
「うん・・・・・戻る」
あたしと狼さん洞窟に戻った。洞窟にはももと首輪をつけた狼さんいた。
「もも早い」
「すみちゃん遅い。もも勝った」
「もう一度!」
「すみちゃん遅い。すみちゃん勝てない」
ももは一歩も引かない。
むむむ
『まあまあまあ、すみちゃんもももちゃんも待ちなされ』
「おじいちゃん」
もも言った。
おじいちゃん?う〜ん。
「提督!」
「提督!」
もももていとく言った。やはり・・・ていとく?
『ていとくとはなんじゃ』
う〜ん?
絵本で読んだぁ!お船の上でお髭の人とお兄さん空飛んでた。バシバシ戦ってたぁ!う〜んと船長?提督?どちらも同じ!
「「提督」」
『ていとくがわからんが好きに呼ぶがいい。まずはすみちゃんにこれを』
あたしは提督から薄紫の石が付いている首輪を受け取った。ももと同じ!
あたしは狼さんに首輪を付けた。あたしのペンダントの石と首輪の石が薄紫色に輝き辺り一面が薄紫色になった。
ももとももの狼さんの石ももも色に輝き薄紫色ともも色に染まる。可愛い!
『二人とも相性良さそうじゃな。すみちゃんもももちゃんも狼に名前を付けて欲しいんじゃ』
「「お名前?」」
『友達になったのじゃ。名前がないと呼びづらいじゃろ』
お名前?う〜ん う〜ん
「みかん」
ももお利口。あたしも。
「ぼたん」
『みかん?ぼたん?どんなもの?』
「「ママのお名前!」」
『僕達男なんだけど』
「パパのお名前知らない」
『う〜ん』
狼さん渋々《しぶしぶ》頷く。
「じゃあ、ぼたん行くよぉ」
「みかん行くよぉ」
あたしが先に出る。ももが後に。
「すみちゃんまけな〜い。ぼたんスピード」
ぼたんスピード上げる。もも着いてくる。
う〜
「ぼたん。もも先に行ったら草で待つ」
『なるほど。ももちゃんに体当たりですね』
「体当たりー」
ぼたん更にスピード上げる。
「今ー」
ぼたんスピードゆっくり。ももがあたしを抜かして行った。あたしとぼたんは草むらに隠れた。
『ももちゃん来ましたぜ』
「う〜。体当たりー」
ももとみかんのタイミングにあたしはみかんに体当たりした。
ももとみかんは飛び上がりかわした。あたしとぼたんも追う。みかんの後ろ足蹴りにぼたんの顔が当たりあたしとぼたんは落ちて行った。
追いかけ追いかけられ、蹴られ打たれあたしもぼたんもぼろぼろになった。
洞窟で。
あたしとぼたんは倒れ泣く。
う〜 う〜
ももずるい〜。あたしをいじめる。
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次回は「すみちゃん体鍛える」だよぉ。
次回をお楽しみに♪