第6話 ももと狼さん
「おはようございます」
「すみちゃんおはよう」
「すみれ疲れた顔しているけど」
「本当ね」
ごろんしたあたしをパパとママが覗き込む。
「あたし疲れてない。朝ごはんとお弁当2個」
「どこいくの?」
「もものお家」
「すみちゃん、お買い物行って来てぇ」
「あたし行かない」
ママの目が吊り上がって来た。
「じゃあ、お弁当作らない」
「え〜」
街まで遠い。たんぽぽだとお昼になる。
「この間、パパ行った。今必要ない」
「お弁当のおかずがないの。それと餃子食べたいの」
ぎょ、餃子ぁ。食べたい
「わかった。行く」
トントントン
誰か来た!
あたしは玄関に行きドアを開けた。
「おはようございます」
「おはようすみちゃん」
「おはよう」
パパさん、ママさん、ももが来た。
あたし閃いた。
「ママさん、ももとお買い物行くです。いいですか?」
「もも行こう」
「うん!」
あたしとももはお外に出てたんぽぽで疾走。
小川で。
薄紫のペンダントに話しかける。
「狼さん。ちょっと来て」
『どうしたんだい』
「街に行きたいの。たんぽぽだお時間かかるから街まで連れてって」
『え〜』
「お買い物の後、遊びに行くから」
『わかった。ちょっと待ってて』
暫くすると狼さんが小川に来た。
『こんにちは』
「狼さんこんにちは」
『その子はだれ?』
「あたしもも」
もものお目目キラキラしている。
ももを前に乗せあたしも乗ると、たんぽぽに狼さんのお家でまっててと伝えて走り出した。
お〜 お〜 おー
ももの雄叫びが森に響いた。
狼さんに乗り、街まであっという間だった。
「もも着いたよ」
狼さんが前足後ろ足を折ると、あたしが先に降り、ももを抱っこして下ろした。
ももと手を繋ぎゆっくりお買い物。
スーパーに入り、卵、人参、じゃがいも、鶏肉、ネギ、きゅうり・・・
いっぱい買った。重い。
「後は餃子」
餃子屋さんで餃子を買い、肉屋さんであつあつコロッケを2つ買った。お店の椅子に座りももとコロッケをはふ、はふ。
美味しい
食べたらお家に帰る。
狼さんが早い。あっという間に小川に着いた。小川でたんぽぽに乗り換えお家まで急ぐ。
もも うとうと。
お家に入り荷物をテーブルに置くと皆んな楽しくお話ししてた。
くまさんリュックにママさんが作ったお弁当を入れ再びたんぽぽに。
小川から森に入って洞窟に着いた。
ももを膝掛けで包み狼さんに載せ替え。縄跳びでぐるぐる巻きにして先に奥に入って行った。
あたしはたんぽぽの手綱を引きゆっくり進む。
あたしが洞窟奥に着く頃にはももは起きていて、草でごろん。コロコロころり。
「もも、お弁当」
あたしとももはうみでお手手を洗いお弁当箱の蓋を開ける。
エビフライ、厚切りポテト、ほうれん草のおひたし。ご飯は海苔が2段に敷かれている。
小分けのマヨネーズをエビフライと厚切りポテトにたっぷり付けて頂きます。
美味しい
2段の海苔ご飯は甘醤油で美味しい。
もももいっぱい食べてご馳走様でした。
ご飯を食べたら少しお休み。あたしとももは狼さんに挟まれ気持ちいい。
あたしが目が覚めるとももがいなかった。
「ももぉ、ももぉ」
『すみちゃん、ももちゃんは狼と遊びに行ったよ』
「え〜」
あたしはももやる気、元気いっぱいで驚いた。
「もも、おねんねしてない?」
『あまり寝てないかもしれないね。ムクって起きて「狼さん行くよ」と言って狼に乗って出かけた』
あたしは目を細めて遠くを見ていた。
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次回は「ももと競争」だよぉ。
次回をお楽しみに♪