第4話 くまさん奪還
「すみちゃん遊ぼ』
う〜、う〜
『すみちゃん遊ぼうよ』
う〜、う〜
『すみちゃん』
がばっ!
「すみちゃんおねむ。明日ダメ?」
『残念。明日また来るね』
くかぁ〜
狼さんのお誘い辛い。
あたしおねむ。
リビングにトコトコトコ。
「おはようございます」
ごろん。
「すみちゃん?」
「おい、すみれ大丈夫か?」
「熱はないみたい」
「病院連れて行くか?」
パパがあたしを揺らしている。
「すみちゃん病院行くよ」
「あたしおねむ」
あたしはパパに抱っこされベッドに。再び寝た。
夕方目が覚めた。
夜ご飯ご馳走様してお風呂に入った。
おねむにならない。
狼さん夜来た。
『こんばんは。今日は大丈夫かい?』
「ううん。すみちゃん夜おねむにならなくなった。お昼遊ぶダメ?」
『かわいそうな事したね。狼は昼外に出ないから遊べなくなっちゃうね』
「う〜ん、お昼、あたし一人で狼さんのお家行く」
『危ないよ』
「あたし大丈夫。たんぽぽいるし」
『わかった。道教えるから明日お昼においで』
「わかったぁ」
あたしはベッドに入るが眠れない。
う〜 う〜 う〜
眠れない。
あたしは冷蔵庫からももジュースを取り、チューと啜る。
明日ももと行こうかな。しかし、七つ道具ママに没収された。
取り返さなければ!
農屋や物置を見て見るがない。
どこに隠したんだろう。キョロキョロするけれどない。あたしはたんぽぽの所に行きたんぽぽを抱っこした。
たんぽぽの毛並みは気持ちいい。冬毛のもふもふ毛からさらさら毛に生え変わっている。毛が固くないから頬擦しても痛くない。
あたしはうとうとしてきた。
チュンチュン
鳥さんの声で起きふぁ〜と欠伸をする。
「たんぽぽ、ご飯行こ」
あたしはたんぽぽに乗りゆっくり玄関へ。リビングに入るとママは朝ごはんを並べていた。
「おはようございます」
「すみちゃん、おはよう」
思いっきりご挨拶。ごろん。でんぐり返し。
「ママぁ、くまさんリュックどこ?」
あたしは今だにごろんしている。ママは覗き込むようにあたしを見て
「う〜ん。どうしようかなぁ」
ママ、あたしをからかっている。
う〜
「あたしお買い物行く。お水汲んでくる。草むしりやる」
ママはご飯を並べながら鼻歌を歌っている。
これは、
女同士の戦い!ママは背が高い分有利だ。
「ママぁ、パパお小遣隠してるよ」
「えっ、どこ?」
案の定ママは食いついて来た。ママはしゃがんであたしを覗いて見ている。
「どうしようなかぁ。くまさんリュック返してもらったら教える」
ママはしゃがみながら考えている。あたしはごろんして横になった。
暫くしてどこかに行ったママが帰って来た。くまさんリュックを目の前に置いた。
あたしは中身を確認する。
くまさん帰って来たぁ!
仕方ない。あたしが先頭を歩きパパとママの寝室に行く。ママがついて来た。
あたしはベッドの下に潜り込み、紐を掴むとベッドから出て来て紐を引いた。
ママの目が見る見るうちに細くなって行った。
あたしはくまさん奪還のためパパを売った。
クマさんのため仕方ない
あたしは箱の前に座りパーとパーを合わせた。
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次回は「わくわく冒険」だよぉ。
次回をお楽しみに♪