第2話 狼さんのお家
「お〜」
早い。狼さん早い。
あたしは狼さんの背中に捕まり全速疾走。
水中メガネ忘れた!
「狼さん水中メガネ忘れた」
『すみちゃん水中メガネってなんだい?』
「早いとお目目痛い」
『そうだったのか。ごめんね。ゆっくり走るよ』
狼さんはさっきよりゆっくり走る。お目目慣れて来た。見た事もない森だった。
「狼さん。ここ知らない。あたしお家に帰れない」
『すみちゃん大丈夫だよ。遊んだら送って行くから』
「本当!すみちゃん怖くない。安心した」
狼さんの足少し早くなった。そして崖に飛ひ込んだ!
お〜 お〜
遊園地の乗り物のようだけれど気持ち悪くない。
狼さんが着地すると、岩がゴツゴツした所だった。狼さんゆっくりゆっくりになった。
『すみちゃんもうすぐだよ』
「どこ行くの?」
『綺麗な所だよ』
「美味しいのある?」
『美味しいものは無いかもしれないね』
「すみちゃん残念」
わ〜。綺麗
紫、黄色、もも色、青や赤もあった。
まるでカーテンみたい。あたしジャンプして見た。届かない。
「狼さん。あれ取って」
『すみちゃん、僕でも無理だよ』
「どうして?」
『あれは高い高いお空にあるんだよ』
「雲に乗ればお空に行けるよ」
『そうだね』
狼さんお空を見上げてふぅと息を吐く。
あたしもお空を見上げふぅと息を吐いた。
ここには森も草もお花もある。
「あの大きい水たまり何?」
『すみちゃん、あれは海だよ』
「うみ?」
あたしは海知らない。あたしのお家には森と牧場と小川しかない。海ない。
「狼さん。お家にうみない。うみ怖い?」
『怖くないよ。塩っぱいけれど』
「塩っぱい?辛い、塩っぱい嫌い。甘いのが良い」
『わかった。今度用意しておくとしよう』
「やったぁ」
あたしはお花畑でごろん。気持ちいい。
『すみちゃん、あって欲しい狼がいるんだけどいいかな』
「誰?知らない人あったらダメ言ってた」
『じゃあ、今度にしようか』
「うん」
今日はこの辺にしてお家に送ってもらった。
「狼さんありがとう。またね」
あたしは玄関から入り、冷蔵庫からももジュース取り出しちゅーと吸った。
眠れない時間が進む
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次回は「イルカさんショー」だよぉ。
次回をお楽しみに♪