表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

サバイバル4 異能 星2

異能がどういうものかは、不確かな情報として脳内にあった。


ここで俺は、なぜ不確かなのかを思い出した。

メールで届いた新作ゲーム。これはゲーム会社の販促ではなく、神からの招待状だった。

誤解していた俺は、説明を流し読み、キャラクリも中途半端なまま放置したが、後に神に叱責された。


その結果、不要な知識は全て消去され、脳内には転生後に必要な情報のみが残された。

ひどくない?でも俺は一度死んでおり、文句をいう筋合いもなかった。

これまで生きて来た個人としてのパーソナル知識は消えてしまったが、その分思い出して悩んだりすることも無いわけで逆にスッキリだ。

全ての知識経験を消去して、赤ん坊として新たな人生を歩むより、ある意味ましとも言える。


とにかくそういうわけで、この世界は魔物や魔法が存在する現実世界であり、おれはそこに転生した。

送り込まれたともいう。


必要な時に脳内に浮かび上がる不確かな情報は、頼るに値するものだ。

なので、「かも知れない」「ような気がする」という気持ちは無視して、全て真実と断定して行こう。



さて、異能のことだ。

魔法が定型的一般的能力であるのに対し、異能は特殊でユニークな存在である。

だが使いこなせれば非常に強力であり、魔法の上位互換と言える。


魔法は魔力依存だが、異能は仙気依存である。

出力も回復力も段違い。

魔力は体内に存在し、休息によって回復する。

仙気は万物(大気にも有機物にも無機物にも)に存在し、それを吸収して回復する。

初期状態で、魔力は睡眠8時間で全回復するが、仙気の全回復は10秒程度だ。


取得時のptが魔法に比べて、段違いに高かったのも納得である。

種族ハイヒューマンは、ランダムではあるが、異能を取得でき、大変にお得であった。

ぶっちゃけ、神が俺の為に用意したある種のチートだ。


だがpt全消費のため、俺は魔力や魔法には縁がない。

現時点では、魔力がゼロという、この世界で特異な生物となっている。



異能に関して、情報が整理できたところで、先ほどの進化内容を検討しよう。


異能:空間使い★★ 探 結


★がひとつ増えて、結というものを取得した。

結とは、空間を凝縮してカッチカチに固める力である。


…ふむ。結界とか結晶とかの結なんだろうか。

よく分からないが取り敢えず使ってみよう。


「結」と唱えて、手を突き出し、手の先に1メートル四方の空間を凝縮して板を作り出してみた。

新品のガラスよりも透明で、そこにあると視認するのは難しいが、確かにそこにあると俺には分かる。

手で触ってみると、薄いガラスのような感じだ。


叩いてみたがびくともしない。

石ころを握って力いっぱいぶん殴ってみたが、やはりびくともしない。


板は何枚でも出せるし、動かすことも出来る。

自分を囲む立方体状に展開することも出来た。

ドーム状にも球状にもできる。


仙気の出力との関係で、大きさには限界がある。現状、一瞬で作れるのは5メートル四方くらいまでだ。

湾曲面を作るのは少し大変で、自分を囲む球状結界を作るのには、10秒ほどの時間を要した。

これらは、練度が上がれば、進歩していくはずだ。


それでは実践しよう。


まずは、角兎で実験だ。

単独行動の角兎を探知し、近くに投石して誘い出す。

怒れる角兎は、案の定突撃してきた。

ドガン!不可視の結盾に衝突し、角は折れ、兎は地に落ちた。

そしてそのまま即死煙化。正面衝突の衝撃が強かったな。


次は山犬。

単独行動の山犬を探知し、近くに投石して誘い出す。

山犬は結盾の直前で停止して横移動し、そこから飛び掛かる。

結盾を察知したわけではなく、偶然だろう。

結盾をもう一枚出して、端を合わせる。


山犬は、2枚の結盾の鋭角の角に頭から突っ込んだ。

「ギャウ」頭が切れた。

しかし、勢いがそれなりだったため、存命。

再度の突撃の構え。


閃いて、結盾に棘を付けて見た。

「キャウン」山犬の顔面から腹部にかけて、数本の棘が刺し貫く。

ややあって、煙化。


おーこれは使えるな。

結盾の端を触ると、極薄で鋭い。つつっと指先を軽く動かすと、指が軽く切れた…。

棘も鋭い。

この鋭さを利用して、刀状に作り上げてみた。結刀だな。

数回素振りをしてみる。極薄なのでよく切れそうだ。

重量は無いに等しい。強度はそこそこな感じだろうか。


角兎と山犬で試すが、まさに無双。スパスパである。

ただし、重量がないので、刃を立てないと無力だ。

刀身の側面の平らな面で防御するには、自力で結刀を支えるか、またはとっさに空間固定する必要がある。


山犬5匹の集団を見つけ、挑んでみる。

自身周囲に、コの字型に結盾を展開し、開いた一面の正面にいる山犬だけを迎え撃つ。

結刀一閃、山犬の胴体が斜めに分断される。煙化。


向きを変え、コの字結盾を回転させて、次の山犬を迎え撃つ。

下から振り上げる。山犬の両前足と首を切断。煙化。


同様に、刺突で頭部串刺し、煙化。

鼻面、喉、胴体への3連突き。煙化。

最後は上段からの唐竹割りで、頭から股下まで真っ二つ。煙化。


た、楽しい!

カチ、脳内で小さなクリック音。


何か変化したのかな。ステータスボードを見てみる


ヨルク:ハイヒューマン17才

異能:空間使い★★ 探 結

スキル:刀術レベル1


おお、スキルが生えた!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ