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サバイバル3 10日め

3日目の朝、前腕部の傷は完治していた。


そして驚いたことに、破れていた皮の服が元通りになっていた。なんだこれ?

自動修復機能付きの特別な服なのか?簡単に破れて、服の下の腕が傷付いたことから、防御力はさほどでもないようなんだけれど。

いずれにせよ、サバイバル生活を続けるうちに服がボロボロになるという当然の不幸が回避できそうでなによりだ。


空間使いの異能★探は順調に成長し、3日目には半径8メートルに、10日目には何と半径30メートルにもなった。

ここまで広がると、実用性がかなり増して、戦闘内容に影響すること大である。


出力がアップしただけでなく、探知対象の選択、例えば敵性生物全体から、角兎以上の脅威に絞ったり、毒虫吸血虫のみを探知するようこともできる。


表示方法を変更して、視覚化し、視界の端に常駐させて敵を赤ドット表示することもできるようになった。


異能は使えば使うほど練度が上がり、新しい使い方ができるようになる。

異能の出力は、単純に時間経過でも伸びるが、敵との戦闘経験や戦闘結果でより顕著に伸びる。

強敵と戦って苦労の末に勝利すると、最大限の成果が上がるようだ。



360度の探知を実視覚に重ねながら、ゆっくりと森の中を進んで行く。

手にはひのき棒の進化系のこん棒。太くてより丈夫になった。

重さも増して、打撃力増しましである。


探知内の有意な敵は、山犬3、角兎2、毒蛙3。

角兎、毒蛙と被らないように注意しつつ、山犬3に向けて進む。


適切と思われる戦場に到着。山犬までの距離約20メートル。

ここで投石。一番大きな山犬(仮称ボス犬)のドテッ腹に命中。ダメージ軽微。

残り2匹がまっしぐらに突進してくる。ボス犬は少し遅れている。


距離10メートルで再度の投石。一番近い山犬の顔面に命中。

山犬の突進の勢いがプラスされたカウンター攻撃となり、山犬ダウン。後、煙化。残り2匹。


一匹は背後に回り、挟撃の構え。2匹が俺に飛び掛かって来る。

斜め前に一歩二歩と進んだ俺は、こん棒を水平にスイング。

前方の一匹の側頭部にヒットしてはじき飛ばした。そのまま体を回転させてボス犬を攻撃。

ボス犬、体をひねって躱そうとするも、左前足の関節部にヒット。関節を砕いた感触。


一回転して、前方犬を見るが、煙化中。

そのまま体を廻して、三本足でもたもたしているボス犬に正対。

上段から渾身の振り下ろし。

噛み付きで迎撃しようとしたボス犬の鼻先から頭部を粉砕。即死煙化。


あっという間に三匹を撃破。

うん、俺もだいぶ強くなった。

探の広域化と通常視覚の確保。頑丈で強力な武器。腕力も上がった。

投石の併用と命中率アップ。


何よりも戦闘経験による慣れ。

落ち着いて、上手に敵を削り、複数での同時攻撃や挟撃を出来るだけ避ける。

早くて重い打撃による一撃必殺。これにより、常に実質一対一を確保する。


充分な距離があれば、山犬三匹、角兎四匹までなら、安定して対処できる。

そして30メートル探があれば、不意打ちは回避できる。


俺も成長したものだ。

もっとも、それ以上の数がいるときや、一匹でも熊は避ける。

黒熊の他に、ヒグマもいた。こいつは怖すぎる…。


じっと身を潜めてやり過ごした。幸い風向きも良くて助かった。

取り敢えず、ヒグマに出くわした方角は避けて行動している。

もしも戦いになったら…うん、考えたくないな。


毒蛙と角兎は発見次第、投石する。的が小さいが当たれば一撃。

毒蛙は近づきさえしなければ容易。近づいて発射された毒液に触れると非常に危険だが、探に死角なし。


角兎は攻撃が直線的なので、投石が外れても、冷静に角兎の突進を迎撃する。

一歩引いて射線から身をかわし、こん棒をバットスイングで角兎の顔面に合わせる。

こん棒が痛みそうな角を避けてその下を狙う。

的が近いのと攻撃が直線的なので、こんな芸当も可能だ。


角兎をホームラン?で仕留めると、貯まった経験値が上限に達した感触あり。

壺に水を入れて行くとき、音で貯まり具合が分かるが、その感触に近い。


器(魂の器と命名)が満杯になるとどうなるのだろうか。レベルが上がったりするのか。

カチリと、何かが嵌るような例の音が脳内に響く。そして駆け巡る軽い衝撃波。


しばらく待ってみたが、天の声のアナウンスがあるとか、ファンファーレが鳴るとかという演出は無かった。

体調にも特に変化は感じられない。

細かく言うと、戦闘後に経験値が貯まると、少しぽかぽかして力が湧いて来る感があるが、それはいつものこと。


脳内のステータスボードを見てみると、そこには変化があった。


ヨルク:ハイヒューマン17才

空間使い:異能★★探 結

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