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2話 7日間のサバイバル生活

心地よい風を感じる………直接日は当たっていないのだろうほんのり暗く暖かい、次に意識を取り戻した時にいたのは見渡す限りの木に囲われた森の中だった、少しづつ意識がはっきりとしていき状況を思い出していく。

意識がはっきりとして立ち上がると多少の違和感を感じる、重力がこの世界の方が少し弱いと聞いていたが予想以上だ体がとにかく軽い、まぁそれはこの世界に来るために作り替えてもらったからなのかもしれないが………

何よりもやはり目だ、以前まではメガネやコンタクトがないと困るような視力だったのに完全に回復している、なんなら今まで以上によく見える気がする。この場にいても仕方が無いので水やこの後休める場所を探すために俺は動き出すことにした。


ーーーーーー


動き始めて数時間の時間が経った空に浮かぶ太陽?は真上に来ようとしている。しかしまだ水場のひとつも見つからないどれだけ進んでも木に囲われたまっ緑な世界、まぁぶっちゃけこの体はすごいこれだけ動いたのに全く疲れない、なんなら道中にあった30kgくらいの石を軽々と持ち上げることも出来る、ものすごく快適だ。

しかし不老不死でこの肉体があったとしても別に体力が無限になった訳でもないし何も食べないでいい訳でもない、なんなら体力が無くなれば動けなくなるし、食事を取らなければ動けなくなってしまうだろう。いくら不老不死とは言え死ぬ以外では行動不能になることは多くある。クロノは言っていたこの7日間はこの世界について学んでもらうための期間だと、これが終われば本来召喚される場所に飛ばされるそう。

そこには人が居てすぐに行動不能になることは無いらしい………

しかしこの7日間はほぼ無人に近い場所であると聞いている。つまりだ自分で食べ物や飲み物寝床を見つけないといけないということだ。

とはいえこの森はどうなっている?まるで生物がいるとは感じられないほど静かだ.....その静けさは恐ろしさまで感じる。


ーーーーーー


日が影ってきた頃ついに水の流れる音を聞いた...それも少量じゃない大きな川があるような多くの水が流れる音...さすがに少し疲れてきたので急ぐようにその音に近づく。

ついに見えたその川は今まで見た事がないような透明で澄んだ水の流れる川幅が5~7メートルはある大きな川だった。

今まで木によって塞がっていた視界は一気に広がり川の上流側には大きな山が下流側にはまだまだ先が見えない川が続いていた...

「さっ流石にそのまま飲むのは良くないか?」

少し躊躇ったが欲望に負けのその水を手に取り一気に飲んだ...いままで飲んだどの水よりも美味しく感じるその水。この世界に来てもう12時間も過ぎようとしている中で飲んだ水は格別であった......まぁ不老不死であるのだから死ぬことは無いだろう.........大丈夫なはず!

そうして次は寝れる場所を探すために上流側に進んで行った、日が完全にくれる頃には大きな滝にまで辿り着きその横には小さな洞穴があった、雨を防ぐことが出来ると思った俺は今日はこの穴の中で過ごすことにした。

早速火でもつけようと何も考えずに木と木を擦り合わせてみる、ほらよくある摩擦で火をつけるやつ、、、はい。

わかってはいたが火はつきません......疲れていた僕はもう寝ることにした...明日食料と火をつける方法を考えよう。

洞穴の地面は冷たいし硬い.........少しでもと草をちぎって枕替わりにしておいた、明日は体が痛そうだ、そう思いながら目をつぶり意識が遠のいていくのを感じた。


ーーーーーー


えっ............全身にものすごい衝撃が走る何が起こったのか分からない。目を開けると何故か洞穴の外に放り出されたようになっていた。

「何が起こった??」

急ぎ立ち上がろうとするが何故か崩れ落ちる...自分の体を見て気がついた。痛みを感じないから分からなかったんだ。違和感は感じていたしかしその可能性を否定したかった、そう俺の左足は膝から先がなかった。

真っ暗な中立ち上がれずに周りを見ていると

鋭い眼光が見えた、それは俺に向かって走ってくる、どんどんと近づいて自分が次に吹き飛ばされる直前にそれが何か見えた、大きな熊だ高さは自分の倍はあるだろうその熊は俺を引っぱたくように吹き飛ばした......宙を舞う感覚......昼間あんなに静かだったとは思えない熊の咆哮...地面に着くと全身の骨が砕け動けなくなった......ちぎれていた足は治ったが...不老不死の再生になれていない今の状態では多くの体力を消耗しなかなか回復しきらない......落下の衝撃で意識は朦朧とし......もう何もすることは出来なかった、動かない俺を見た熊は俺を口にくわえて俺が寝ていた洞穴に連れ帰る.........そして俺を下ろすと周りからは小熊がよってくる......そして親熊は俺の腕をちぎると小熊に与えていた......そこで理解した、俺が寝床にした洞穴はこの熊の巣であり、今の俺は親熊に捉えられ小熊の餌にされているんだと......体はどんどんちぎられ食べられる...しかしその度に肉体は再生し体力だけ減っていく......それを繰り返しているうちに俺の意識は飛んでいた。


ーーーーーー


次に意識を取り戻したのは日が完全に昇った頃だった.........体は再生し何も無かったかのようになっている......服はなくなっているが...周りを見ると真っ赤な血の海が広がっていた......酷い匂いがした...この匂いと記憶の中の恐怖により嘔吐した......と言っても水しか飲んでないからほぼ何も出なかったが......とにもかくにもこの場所を離れることにした。

もしこれに痛みを感じていたら、と思うとものすごく恐ろしくなる。

服が無くなったから少し寒かった......巣を離れると皮で水浴びをし大きめの葉っぱをちぎって服のようにしツルで縛った。まぁないよりはマシだな......

この森最初に来た時は気が付かなかったが意外と生物がいることがわかってきた。当然熊もそうだが皮を見渡せば中には魚が泳いでいるし、木の真下からでは気が付かなかったが川のところから斜め上に見ると鳥も居るようだ。

そしてもうひとつ分かったことがある俺はそろそろ限界が近いと言うことだ...肉体の再生にかなりの力を使い果てそろそろ栄養を取らないと動けなくなってしまう。そこでまず初めに木の実を食べてみる事にした毒があるかもしれないが仕方ないだって分からないのだから...川を見つけられたのは本当に幸運だったこれがなければ周りを見渡すこともあの森の中ではできなかったからだ、川沿いにはいくつかの木の実がなった木がある、そのひとつに手を伸ばしてみる......みかん?のようなそれを手に取るとそのままかじりついた......

「かっらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

おいおいどうなってる?????

酸っぱいなら分かるがとにかく辛い急いで川の水を飲む、しかし味はともかくかなり栄養があるようだ...一気に肉体が回復していく感じがした不老不死の回復が体力が戻った事により治しきれなかったところを回復しているのだろう、最低限動けていただけでどうやら俺の体は相当ボロボロらしい......その後はいくつかの木の実を食べた。

そしてその辺の細めの木を折ったりして最低限の寝床を作っていった。昨日みたいな目はゴメンなので少しでも隠れれるような森に溶け込むように作った。

まぁ出来は......突っ込まないで欲しい洞穴に比べれば風も雨もしのげないだろうが、それより昨日のあれがトラウマだった......

もう日が落ちていっていたし今日はとにかく休みたいと思い周りの木の実を集めてそこでゆっくりしようと決めた。

その夜は中々寝付けなかったが......昨日のように襲われることは無かった。


ーーーーーー


3日目はかなりゆっくり寝た......釣りも狩りもできないが...木の実によって何とか腹は満たされる...味はほとんどが酷いが、拠点も最低限用意できているので今日は周りの探索をすることにした。目の前の川は横幅こそ広いが深さ自体はどこまで行っても足がつく程度なので今日は川の反対側に行ってみることにした。

思ったより流れが強く少し流されそうになるが何とか皮を渡りきる。渡りきった先も大きな森が拡がっている、道が分からなくならないようにあまり遠くには進まないようにした。

まだ川がギリギリ見えるところまで来たところで小さな遺跡のようなものを見つけたそれは石でできているのか......少しひんやりとしているまるで金属だった、興味を持った俺はそれに入ってみようと思い近づいた...思ったよりでかくないそれには正面に階段地下に繋がる階段しか無かった、入る事を決め地下に少しずつ下っていくと廊下がありそこを進んでいった...壁は現代を思うほどフラットで床も綺麗だった明らかに人工物なそれを見た俺

「おいおい...なんだこれほとんど人は居ないて聞いてたが...昔はいたって事なのか...」

そんな事を1人ボソッと呟きながら歩いていると

(カチィ)

どうやら何かを踏んでしまったらしい...何を踏んだかと思い足元を見ると

(パカッ)

落とし穴だった...真っ暗な穴に真っ逆さまに落ちて地面に着く

(グサッ)

次はなにかに突き刺された......その針のようなものから体内に何かを入れられる......

その何かは毒なのか意識が途絶えていく......

「クソがァ.........またこんな展開かよ。」

結局異世界に来てからまた意識を不意にいしなってしまうこととなった.........


ーーーーーー


目が覚めた時には遺跡の中ではなく何故か川の横でころがっていて日は落ちていっていた。

振り返ると先程まであったはずの遺跡は見当たらずただの森しかない様子だった

一体自分は何をしていたのだろうか?

遺跡は幻だったのだろうか?

何があったのか整理するためにもまずは拠点に帰ることにした。かなり体力を消耗したようで行きより明らかに川を渡るのが大変だった。

拠点に着くと日は完全に落ちていた

体力的に限界な俺は取っておいた木の実を食べると勝手に眠りについていた............


ーーーーーー


4日目の昼が来た...どうやろ相当疲れていたらしい目を覚ました頃には太陽?は真上まで昇っていた、なんだかすごく頭は痛いし気分は最悪だった......今日はもう動く気にも慣れず...どうしてこうなってしまったのかを考えていた。

ろくでもない体験ばっかりした俺は...もしも恐怖に耐性を持ち物事を冷静に考えれるようクロノがしていてくれなかったら...もし前世のままの精神状態であれば気が狂っていたのであろうなと思った。何もせずにただ木の実を食べながらゆっくりとしていると......聞き覚えのある音がした......そうそれはこの世界に来て最大の恐怖......あいつの足音だった。草をかき分けるよう何かを探していた.....川の向こう側に居るようで少し安心し...木の影からやつの姿を見ると何かおかしかった...恐ろしかったあの眼光を放っていた片目は何者かに斬られ失明しており...右腕がなく足も負傷しているようだった......極めつけはなにかものすごく怒っているように暴れ回っていた......関わらない方がいいと思った俺は息を潜めてそれがどこかにいくのをまった......やはりこちらには気がついていない様子で巣穴のあった方向に戻って行った。一体何があったというのだろうか...そう考えながら日が落ちて行ったのでその夜をすごした.........


ーーーーーーー


5日目になってもまだ頭痛と倦怠感が残っている......やはりあれは遺跡で毒だったのだろうか...なんだか体が作り替えられているような気すらする、しかし不老不死の再生があるため...そのうちは収まるだろう。ある程度探索は済ませたので今日は石と木とツタを使って道具を作ってみようと思う!まぁ道具と言っても大層なものは作れないが......まずは石どうしをぶつけていい感じに割れるまで繰り返した...先が尖ってそうな石ができると硬い石に擦り合わせて形を整えていく...がこれが思った何倍も難しくて欠けたり割れたりしてしまう事が何度もあったしかし時間はあったので何度も挑戦していると......槍?のような先に尖った石を括り付けた棒と石のナイフを、作ることに成功した!石のナイフの切れ味は最悪だが柔らかい果物程度なら切る事が出来た~それに感動しながら木の実を食べていると急に視界が一瞬だが2重になった、瞬きを何度かしたが気のせいだったのか?なんだか頭痛も少し解消されて体調が回復していっているようだ。色々作業をしたので川で水浴びをしてそれを終える休んでいると夕方になり、ふと思い出したように外に出たそう火をつけるリベンジをする事にしたのだ、その理由は石で道具を作るために石どうしをぶつけていたところいくつか火花の出る石の組み合わせがあった......それを使えば火をつけれるのではと考えたからである、数日間雨が降っていなかった事もありカラカラにかわいたツタを小さくして、木の棒には先程の石のナイフで少し削り目を入れて置いた...何度か試しているとなんととても小さいが火をつけることが出来た

「よっしゃ...やってやったぜ」

満足気にその火を眺めながら消えないように木を足していく...そんな事をしているとあっという間に時間はすぎていき炎の温もりを感じながらその日は眠りにつく事となった......


ーーーーーー


6日目の朝を迎えるとどうやら今日は天気があまり良くないらしい...まだなんとか曇りで済んでいるがこの後は雨が降りそうな予感がした...昨日つけは火はまだ小さく燃えていたので木を足して炎の勢いを取り戻させる、そうこうしている間に雨が少し降り始めた......雨によって火が消えないように少しでも雨が当たらないようにした...この様子ではこれが消えてしまうともう湿った木しかなくなり火が付けれそうにないからだ......自分の寝床の中に火を移し屋根になっている葉っぱを何枚か追加で重ねる...なにぶん服にできるくらいしっかりとした大きな葉っぱがいくつか生えているので屋根作りには苦労はしなかった......自分用の屋根を作ろうと追加で葉っぱを集めに行くと一筋の光が空を切り裂くような轟音と共に走る...この雨はどうやら予想より強くなりそうだ...早く集めて戻ろうとし、石のナイフで葉っぱを切っていると急に頭痛がした......視界が二重に なる、しかしそれはただ二重になっているのでは無い......そう今の景色と重なって見えたのは自分の背後からヤツに噛みつかれる様子だった...............

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