飽きることの無い刺激を止めどなく
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
何でも良いんですよ。
夢中にさせてくれたら、今を忘れさせてくれたら。
本当に何でも良いんです。
好きだった物の熱が冷めるのは、主に供給に掛かってる。公式の供給はそんなに頻繁じゃない。だから二次創作が私の命綱だった。
二次創作が延々と供給され続けるならば、冷めるのも非常に遅い。けれどもそうじゃないならば、すぐにでも冷めてしまう。乾いて仕方がない。何かで満たしたくて仕方がない。早く、夢中になりたい。
最近の彼女は何かに急いた様に落ち着きがない。別に言動がそうという訳ではなく、雰囲気がそう見える。視線が忙しなく動く。指が液晶の上を舞う。其れは止めどなく続く。
しかしふっと顔を上げて、此方の顔を見据えると、ぐっと顔を近付けた。
「ねぇ、キスしてよ」
なんの色気もない、誘い文句だった。其れでもお望み通りに口付ける。下手に舌を入れたり、まさぐったりはしなかった。
口を離す。大きく見開かれた目が何一つ満足していなかった。
「何かに……ハマってないと、気が触れそうになるんだ」
彼女はただ淡々とそう言った。指先がチラチラと動く。禁断症状が出た様に落ち着きなく。其れからおずおずと私の胴に手を回し、首元に顔を埋めた。
基本的に彼女は何かの依存症らしい。別に酒とかギャンブルとか異性関係とか、そういうのではなく。何かに染まって、夢中になって居ないと、落ち着かない。頭を其れで満たしてないと、気が触れる。そんな人だった。
「私よりも、そっちの方が大事?」
「カテゴリが違う」
大真顔で帰ってきた。私の趣味と、お前を一緒に並べて話すんじゃねぇ。と目が語っている。それならば。
再度抱き締め返し、首筋に顔を埋める。今度は容赦なく口を開き、思い切り噛み付いた。背中に回った指が爪を立てる。其れでも構わず穴が空くほど噛み付いた。
「そんなに空想の輩よりも、飽きることない刺激を止めどなく」
カテゴリが違うと言ったね? でも君は真っ白になれば何でも良いのでしょう。そんなのよりももっと良くしてあげるよ。
「……今のは悪くなかったかな」
カテゴリが違う。
というのは、何も貴方の事が嫌いとか、そういうじゃないんですよ。
空気のような安心感がある。君は居ないと駄目。
そう言った意味だと思います。
基本的にゴリゴリのメンヘラなんですけど、其れを一般までに持っていけてるのは、何かにハマっているものがあるから。其れで頭を埋めているから。
秒で飽きます。でも供給過多なら飽きない。だから本質的には何でも良いと思うんですよ。
メンヘラな上に浮気してもおかしくなさそうな言い分。
こういう輩には気を付けましょう。
彼女はただ、真っ白になれれば良いので、彼から新しい刺激をもらってます。
何でも良い。だから悪くない。