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運命の再会だと言う騎士様の愛が重すぎます!!  作者: 茜カナコ


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29/30

29.帰宅

 ガタン、という振動で目を覚ました。

「あら、いつの間にか私も眠っていたのね」

 ブラッドが寄りかかっている左腕はじーんとしびれている。

 馬車の窓から外を見ると、もう屋敷の玄関前だった。


「ブラッド、起きて。もう家に着いたわ」

「……ん」

 ブラッド様は右手の親指と人差し指で目頭を押さえると、ふう、と息を吐いた。

「すまない、随分寝ていたようだ」

「疲れたのね、ブラッド」

 私たちは馬車を降り、屋敷に入った。


「ただいま戻りました」

「戻った」

「わん!」

 ピピがブラッドに駆け寄る。ブラッドがとまどっていると、ハロルドが笑顔で出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ、ブラッド様、ローラ様。すぐに昼食を準備いたしましょうか?」

 ブラッドは首を横に振った。

「私は部屋で休もうと思う。ローラ、君はどうする?」

「私も部屋で休みたいです。でも、すこしおなかもすいているかしら」

「それでは、軽食をお部屋にお持ちいたしましょうか?」

「お願いします。ブラッドは?」

「私は軽食もいらない。何か食べたくなったら下に降りてくる」

「承りました。ごゆっくりお休みください」

 ブラッドは頷いて自室に行った。

 私も自分の部屋に戻って、書き物机の椅子に座る。

「疲れたわね……」

 椅子に座ったまま伸びをしたら、あくびが出た。


 ドアがノックされた。「どうぞ」


「軽食をお持ちしました」

 従僕がサンドイッチと紅茶を運んできてくれた。

「ありがとう」

 軽食を机の上に置くと、従僕は部屋を出て行った。


「いただきます」

 サンドイッチを味わいながら、紅茶を一口飲む。

「美味しい」

 体の芯から疲れがあふれ出すのを感じながら、ゆっくりと食事を終える。


「さすがに……眠いわね」

 私は寝間着に着替え、ベッドにもぐりこんだ。


***


 目を覚ますと、辺りはもう暗かった。

「まあ、私どれくらい眠っていたのかしら?」

 慌てて部屋着に着替えると、階下の居間に向かった。

「ローラ! ずいぶん疲れていたのだね。もう大丈夫か?」

 ソファに座って紅茶を飲んでいたブラッドが立ち上がった。

「ええ。私は大丈夫。ごめんなさい、寝過ごしてしまったわ」

 ブラッドは優しく微笑んで言った。

「私も先ほど起きたところだ」


 ハロルドがやってきて、私たちに言った。

「ブラッド様、ローラ様、夕食の準備が整いました」

「ありがとう。さあ、行こうかローラ」

 ブラッドは私に腕をさしだした。私がブラッドの腕をとると、ブラッドは食堂に向かった。


 夕食をとりはじめ、ブラッドとたわいない話をしていた。ふと、私は思いついてブラッドに聞いた。

「ブラッド、お義母様に言われたからというわけでは無いのだけれど……そろそろ子どものことを考えてもいいのではないかしら?」

「……!?」

 ブラッドが目を丸くして私を見つめている。


「私、子どものいる生活も素敵だと思って」

「……君がそういうのなら……だけど子どもというのは……」

「私だって、子どもがどうやって生まれるかくらい知っているわ」

「あ、ああ」

「ブラッドは、子どもが欲しくないの?」


 ブラッドは赤面して俯いた後、私を見つめて言った。

「その……いいのか? ローラ?」

「ええ」

 私もはにかみながら、ブラッドを見つめた。


 食事を終え、お風呂をそれぞれ済ませると、私たちはブラッドの部屋で眠りについた。


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