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運命の再会だと言う騎士様の愛が重すぎます!!  作者: 茜カナコ


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24/30

24.夕食会

 城の近くの自分たちの家からブラッド様の実家へと向かう馬車の中で、私はブラッド様に尋ねた。

「ブラッド、何故向かい側に座らないの? 隣に座ったら狭いと思うのだけれど……」

「少しでもローラの近くに居たいと思っただけなのだが?」

何も疑問を抱いていないブラッド様を見て、私はため息交じりに笑った。


「……ありがとう」 

ブラッド様は不思議そうな表情で私を見つめている。

 ちょっと距離が近すぎて、私はドキドキした。


「ブラッドのご両親、今日は何か特別なお話があるのかしら?」

「さあ? 私たちの顔を見たいだけじゃないのか?」

「……そうかしら? あ、ご実家が見えてきたわ」

「もう少し、こうして居たかったが……」

 ブラッド様は私の手に、その大きな手を重ね、少し寂し気に微笑んだ。


 馬車が門を通り、屋敷の前に止められた。

 ブラッド様は先に馬車を降りると、私の手を取ってくれた。

「ローラ、気を付けて」

「ありがとう」


 私たちが馬車を降りると、ブラッド様の両親が出迎えてくれた。

「ただいま、父上、母上」

 ブラッド様が笑顔で言うと、お父様のダリル様と、お母様のクレア様が順番にブラッド様を抱きしめた。私にも軽くハグをすると、ダリル様とクレア様は姿勢を正して言った。

「おかえりなさい、ブラッド、ローラ」


 私とブラッドは微笑んだ。

「ダリル子爵、クレア様、本日はお招き有難うございます」

 私が言うと、ダリル様が頷いた。

「よく来てくれたね」

「私たちのことは父、母と呼んでくれて良いのよ? ローラ」

「ありがとうございます。……お義母様」

 お義母さまは屋敷の中へ進むよう、手で示した。


「さあ、中に入って。荷物は運ばせておくから、広間でお茶でも飲んでゆっくりしなさい」

「わかった。行こう、ローラ」

「ええ」

 私はブラッド様の腕に手を添え、屋敷の中へ入った。


 屋敷の中は華美ではないが、品の良い家具や絵画が並んでいる。重厚な屋敷の雰囲気に私がこわばっているとブラッド様が私の頬を、空いている右手で優しくなでた。

「居心地が悪いか?」

 心配そうなブラッド様に、私は慌てて首を振った。

「そんなことないわ。少し緊張しただけ」

 私が微笑むと、ブラッド様は私の額に口づけをしてから、にっこりと笑い返した。


 広間に入ると、お義母さまが二人分の紅茶を入れようとしていた。

「さあ、二人とも座って頂戴」

 ブラッド様は二人掛けのソファの右側に座ると、左側に私が座るよう促した。

「ありがとうございます。失礼いたします」

 私がソファに座ると、ブラッド様が私を見つめ微笑んだ。


「まあまあ! 仲よしね! 良いことだわ」

 お義母さまは両手を胸の前で合わせ、いたずらっぽく笑った。

「ちょっとブラッド……お義母様の前で……恥ずかしいわ」

「何が恥ずかしい?」

 ブラッド様は、ちっともわかっていない。


 すました顔でブラッド様は紅茶を一口飲み、口を開いた。

「母上、お元気でしたか?」

「ええ。最近は観劇やお茶会を楽しんでいるわ。お父様も仕事に趣味に、大忙しですよ」

「それは良かった」


 私も笑顔を浮かべ、二人の会話に頷いていた。

 ブラッド様のお仕事の話や、お義父様やお義母様の近況報告が終わった頃、お義母様が立ち上がった。


「そろそろ荷物も運び終わった頃ね。ブラッド、二階の階段脇のゲストルームを使いなさい。ローラを案内してあげて」

「分かりました。行こう、ローラ」

「それでは……失礼します」

「ええ。また夕食のときに会いましょう」


 お義母様を広間に残し、ブラッド様に手を引かれて私はゲストルームに案内された。

「さあ、ここだ」

「……まあ、素敵! ……でも……」

「ん? 何だ?」

 私は部屋の中に進み、中を見渡してため息をついた。

「……ベッドが一つしかないわ」


 顔が熱くなるのをごまかそうと、私は握った右手の人差し指を口元に当てて俯いた。


「何も問題ないだろう?」

 小首をかしげて不思議そうに私を見つめるブラッド様に、私は何も言えなかった。


 私とブラッド様はそれぞれ衝立の陰で着替えを済ませると、部屋の入り口側に置かれたソファに座った。窓から見える空はもう暗く、月が輝いている。


「ブラッド様、ローラ様、お食事の準備が整いました」

「わかった。今行く」

 ブラッド様が左腕を私の方へ向けた。私がブラッド様の腕に右手を添えると、ブラッド様は食堂に向かって歩き出した。


 食堂に着くと、すでにお義父様とお義母様が席についていた。

「さあ、ブラッド、ローラ。楽しい夕食にしましょうね。大切な話もあることだし」


 お義母様はにっこりと笑っていたが、その目は鋭く私を見据えていた。


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