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事情聴取・1

辻馬車の御者ハンスの証言。


「あっしはあの時間にあの場所に向かえに来てくれって頼まれたんですよ

辻馬車のオーナーからの指示でしてね

客の格好は帰化されてたんで直ぐに分かりましたよ

前金は貰ってて、 指定された場所に御客さんを送って行きました

金貨1枚を貰ってあっしは帰ったんですが

今こうしてしょっぴかれています

あっしは何も知らないんで何かの事件だったら

辻馬車のオーナーに聞いてくれないですかね?」


廃屋にやって来た二人組の男の方、 娼館の従業員のフレッドの証言。


「あのさ、 急に何なの? 悪いけど娼館だからってごちゃごちゃ言うの止めて貰える?

一応国に認められている商売だからさ、 話聞きたきゃ(令状)持って来てくれ

・・・誘拐事件の調査? 何だか知らないけどもこっちにも守秘義務があるから」


人質になっていたシー子爵令嬢の証言。


「何も分かりません・・・突然捕まえられて・・・気が付いたら部屋の中に・・・

食べ物とか色々有ったので問題は無かったのですが、 気が付いたら救出されてて・・・」





「イマイチ分かりませんね」


メイズが調書を見て唸る。


「このフレッドとか言う奴、 此方を馬鹿にしているのか?」

「ロウ閣下、 彼は間違っていませんよ、 これは合法です

以前、 娼館を尋問して性癖を探って政敵を攻撃するなんて手法もありましたし

寧ろ口が堅いのは信頼出来るでしょう」


チェンがロウを諫めた。


「・・・・・娼婦の調書が内容ですが?」

「まだ話している最中です」

「聴取を聞きに行っても?」

「構いませんが・・・」


メイズは事情聴取をしている部屋にやって来た。

聴取を取っている騎士は頭を抱えていた。


「如何した?」

「いや・・・ちょっと色々と信じられない部分が多くて・・・」

「ホントだって!!」


娼婦のアンナは怒りながら言った。


「・・・一旦最初からもう一回話して貰って良いかな」

「うん、 オッケー、 アタシはフレッドさんに連れられて

ヘンダーソンさんの所に行ったのよ」

「ヘンダーソン?」

「他の娼館のお偉いさん、 名刺持ってた」

「あ」


確か娼館の従業員の名刺にそんな名前が書いてあった。


「と言うかお偉いさん? 従業員じゃないの?」

「娼館の従業員は身バレ防止とかで役職を隠してるのよ

源氏名も使ったりしてるし」

「そうなのか・・・それで?」

「アタシは仕事で行ったのよ、 まずウチのボスが

『ヘンダーソンさんの所の客がアタシを指名したい』って言うから

あのボロ小屋にフレッドと向かったの」

「・・・・・それは普通なのか? 何で別の娼館を経由して連絡するんだ?」

「娼館には縄張り意識とか有るからね、 一応そういうの気にするのよ

ヘンダーソンさんと一緒にアタシは聞いていた場所に一緒に向かったのよ」

「服は如何した?」

「服?」

「オリ、 じゃなかったヘンダーソンは紳士服を着ていただろう?

アイツは最初別の服を着ていたんだよ」

「そうなの? アタシが来た時にはもう同じ服だったけど?」

「そうか・・・鉄工場まで行くって言うのは? 不自然さは感じなかったのか?」

「割と多いよ」

「は?」

「工場長が娼婦を呼ぶの、 まぁ縄張り以外から指名が入るのは初めてだったけどね」

「そうか」

「ちょっと喉乾いちゃった、 水貰える?」

「あ、 あぁ、 待ってろ」

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