表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/2

さようなら二度目の人生、こんにちは三度目の人生



俺は"二十歳まで生きられない"


一度目の人生はその宣言通り二十歳になる前に死んだ


やっと就職したのに残念だったな


次の人生はアリシア・リリースと言う貴族の令嬢だった


だが残念なことに身分が低すぎて唯一容姿だけは秀でていた為年が離れた公爵に後妻として嫁がされた


嫁いだ公爵家の長男は俺の一つ上で俺を邪険に扱い4つ下の双子は俺のことを"ハリボテ女"と呼んだ


まあ、事実俺はハリボテの公爵夫人だから


あの年の離れた公爵にとって俺は前妻の代役だから


別に悲しくはなかった


嬉しくも無かったが


嫁いで一年、公爵が死んだ


そして俺は早くも17で未亡人となった


は?ふざけんじゃねぇよジジィ、俺と息子達おいて逝くんじゃねぇよ


息子たちの面倒誰が見るんじゃ!


と内心キレながら猫百匹ほど被って葬式に出た


それからというもの公爵が死んでから義理の息子たちの虐めはエスカレートしカエルなど投げてくる始末


長男は年齢的にまだ爵位を継げないので俺が当主の仕事を代理で行った


ダンスに貴族同士の関係、食事マナーや社交界の暗黙の了解など様々なことを体に染み込ませた


全ては自分が公爵家に捨てられないために、あのときは必死に抗ったと思う


結局は何も変わらなかったけどな


俺の二度目の人生の最期は次男の結婚式で天井から落ちてきたシャンデリアに潰された死んだ


死の間際に次男と長男を見たらめっちゃ焦ってたな...ざまぁ


まああんなシャンデリアで殺される、って中々だよな


どういう確率で落ちてくんだよ


そんな感じで俺の人生(二度目の)終わったな


三度目の転生をするのかと黄泉の国から待っていたら召喚された


否、生き返らされた


目が掠れて辺りはよく見えんが蘇生される経験は初めてだな


まあそんなことどうでもいいか、この新たな人生に少しは期待して―――





「――成功したか?」





ん?悪夢か?


あの散々俺を邪険に扱ってた長男の声がする


もしかして俺を蘇生したのは長男なのか?


また新種の嫌がらせか?


それまた斬新だな


そんな時二度目の人生でよく耳にしたシステムの音がした





『魔界の主 ギルバート が貴方を蘇生しました...』





サーセン、ギルバートって誰っすか?


もしかしてあの長男っすか?


んな訳あるまいし...


目を開くと白髪に赤い目の髪や目の色は違うが宿敵ギルバートがいた


ってかコイツ頭に牛の角みたいなヤツ生えてんな


中二病かよ


いや、異世界だし思い返すとキリねぇわ





「本当にアリシアなのか?」





いきなりギルバートが気配を消して至近距離に現れるもんだからちょっとビビっちまったな


だがよ、社交界&公爵家の書類整理で疲れた俺の表情筋はそんなものでびくともしねぇぜ


無視すんのも悪いしここは一応答えとくか





「貴方はギルバートですか?」





それっぽく答えてやった


ギルバートは何故か知らんが俺に抱きついた





「あぁ愛しのアリシア。俺のことを覚えてくださったのですね...‥‥あの時は助けられず傍観するだけで無力で本当にすみません。俺がもっと強くて貴方を何事にも守れるようにしなければならなかったのに...貴方をあのクソ公爵家から逃そうとしたばかりに失敗してしまい...ですがこんな俺にも微笑みかけてくれた貴方なら俺の傍にもずっといてくれますよね?でもいてくれないなら――」





おい待てコラ


俺を抜いて話を進めんじゃねぇ!


そして抱きしめる力が強いんだよ


もう一回死にどうだよ?俺


そしてな!展開が早すぎて状況に追いつけて無いんだよ!こっちはな!


しかも一つ言う


お前は婚約者居ただろが!!


なに、どうした!?


まず俺への愛を一方的に語る場合じゃなく婚約者と結婚したのかよ!





『魔界の主 ギルバート は只今独身です。マスターが死んだ後彼は公爵邸を含め大陸を吹き飛ばしました。その時殆どの者が巻き込まれて死んだそうです。それと余談ですが ギルバート がマスターへ対する愛情は好感度最上限値を大幅に超えております』





そんな情報今言われても知らねーよ!


どうせならもっと前に言って欲しい...





『シランガナ』





あっ、システムさん酷い...


でもさ、大陸一つ吹き飛ばしても長男普通に正統派イケメンだぜ?


南大陸らへんからでも嫁もらえたのでは?





『マスターの予想通り数回、南大陸の大貴族との婚約話が出たそうですが本人が拒絶したそうです』





そうだシステムさん


ちょっと気になったんだけどさ、俺が死んでから何年が経った?





『約一万年の時が流れております。そして今気づいたんですがマスターの体 ギルバート の魔法で不老不死になっておりますよ?』





えっ、マジか





『マジです。因みにもっと言うと種族も変わってます。ヒューマンからハイヒューマンになっております』





人の体許可なしに色々弄ってんな


デリカシーってもんが無いの?





『一万年前どこかのご令嬢を卑しい目つきで見ていたマスターも人の事言えませんよ』





システムさんも一緒に妄想してたじゃん、忘れたの?





『…』





まあいいんだけどね


あと俺いつギルバートから開放されんの?


そろそろ声かけるか





「あの...離してもらえます?そろそろ呼吸困難になりますよ?」





「え、あ、すみません...アリシアに久しぶりに会えたものだから...」





何照れてんだよ、長男


オメェ一万年前俺のこと邪険にしてたろが!


覚えてろよ!


こっちは覚えてんだからな!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ