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私の勇者ならワンチャンあれば十分です~全く問題ありません!  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
59/72

59 竜人3

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

なろう投稿する第2作目です。

 ランスロは瞬時に、竜の咆哮(ほうこう)が作った衝撃波の真正面に移動した。


 自分の後ろには、王都イスタンに暮らす1千万人の住民がいる。

 彼は心を最大限に集中させて、神聖の力の覇気を身にまとった。


 同時に、衝撃波との距離は既にほとんどないことを感じた。

 しかし、少しの距離であっても利用しようと彼は判断した。 

 そして、衝撃波に向かって前進して剣を一閃した。


 衝撃波と反対の全く同じ威力で剣は振るわれた。


 ――――嘘のように衝撃波は消えた。


 それを見た竜人ドランは仰天し、我に返り冷静になった。

 また人間の姿の戻っていた。

 ドランは竜剣を手から離し、その場で土下座した。


「負けました。私は武人としてとても恥ずかしい。戦いの相手以外の普通の人々を巻き込んで勝とうとした。冷静さを完全に失っていたとはいえ、許されることではないですね。勇者の候補よ、今手に持っている剣は魔族を殺すこともできるだろう。さあ、卑怯な私の命を奪うのだ! 」


 それを聞いていたランスロは非常に恐い険しい顔をしていたが、意識的に笑顔を作った。

「竜人様はすぐに自分の過ちに気づき、謝罪されました。僕は許します。同じような立場であったなら、僕も同じような過ちをしたに違いありません。」


「そんなわけにはいかない。早く私の命を奪ってくれ。」


「理由もなく、意味もなく大切な命を奪うことはできません。お願いします。これからも生き続けてください。魔界に返られたら、魔族の皆さんに人間は敵ではないことをお伝えください。人間界に大侵攻してお互いに戦う理由は全くありません。」


 そう言った後、ランスロはドランに近づき、両手を差し伸べ土下座を止めさせた。


「ははははは― 」

 ドランは愉快に笑い始めた。


「私の中の最大の謎が解けました。世界で最高に美しい王女様とザラ様、お2人とも勇者の候補の婚約者になっている理由がわかりました。しかし、これからが大変ですね。お2人とも大変高位な王族ですから、どちらかを側室にするわけにはいけませんからね。ははははは― 」


「その点については、どうすれば良いか全く考えがまとまりません。困っています………… 」


「ランスロ殿。最後は成るようになりますよ。それでは私は魔界に帰ります。帰ったら、人間界への大侵攻なんて行われないように、魔界の中で最大限を努力をするつもりです。既に大侵攻を望む上級魔族は2人しかいませんけど。でもまだまだ大侵攻が行われる可能性はあります。」


「ザラさんによろしくお伝えください。竜神ドラン様、またお会いしましょう。」


「了解しました。それでは失礼。」

 竜人ドランが頭の上の空を指さすと、そこに魔界との連結空間の黒い穴が開いた。

 そして、あっという間にそこまで飛び上がり黒い穴に吸い込まれ姿を消した。


 それを見ていたランスロは言った。

「強かった。きっと今の実力は炎人バーン様に(まさ)っている。自分に満足せず毎日鍛錬を続けてきてよかった。だけど、一つ心配ごとができてしまった…………」


 彼が持っていたゾイゼンの剣の刃先が、竜の咆哮(ほうこう)が作った衝撃波を切って消滅させたダメージで、ボロボロになっていた。



 

 魔王宮の最下層の地下に魔王ゲールの妻でザラの母親、最高位の魔女であるサバトの工房があった。

 魔女は特殊な金属にさまざまな魔法をかけて、何かを作っていた。


 複雑で長い詠唱を、魔女は間違えることなく真剣に続けた。

 その後、作っている何かに不思議な色に輝いている秘薬をかけた。

 すると、何かは生き物のように動き、剣の姿を作り始めた。


「やった! 1万2千回目! ここ数年失敗を重ねた行程がうまくいったわ。ここさえ切り抜ければ、自動的に剣は自分自身を精製し始める。我が愛する夫、そして私達夫婦の命より大切な娘のために最高の宝物――『魔王の剣』業火が再び姿を現わすわ! 」


 同じ頃ザラは侍女を3人従えて、王宮の中の広い廊下を歩いていた。

 その時のことだった。


「あっ、痛い。」

 心臓の鼓動のような強い頭痛がザラを襲った。

 そして、その場にうずくまった。


「大丈夫ですか。ザラ様。」

 侍女達が大変驚いてザラに近づいたが、その後完全にザラは気を失ってしまった。




 魔王宮の王座に座っている魔王ゲールの元に、内務大臣のアスタルトが報告にきた。

「魔王様。サバト様の秘術が成功して、『魔王の剣』業火が再び姿を現わし自分を精製し始めました。その影響を受けてザラ様が意識を失ってしまわれました。」


「そうか。いよいよその時がきたか。アスタルトよ、ザラが1000年魔王として覚醒して、業火をその手につかむまで後どれくらいの時間があるのだ。」


「魔王様。ロスチャイルド王家に伝わる口伝によりますと、99日です。」


「ザラが覚醒したら私は命を落し、ザラが魔王になる。ザラは心の奥底で業火の命令を受けて、人間界への大侵攻を開始せざるを得ないだろう。ザラの命令に従うだろう上級魔族は何人になったのだ。」


「2人でございます。序列第4位ゴーレムのクレイと第5位の獣人レオです。」


「第3位の竜人ドランはどうなったのだ。」


「報告が遅れて申し訳ありません。勇者の候補ランスロに負けましたが、彼にすっかり心酔して魔族と人間の未来の架け橋になると宣言しております。」


「そうか、大至急ドランを呼んでくれ。頼みたいことがある。」


「わかりました。大至急、御前に。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。


※更新頻度

土日祝日の午後です。

少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。


ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




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