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私の勇者ならワンチャンあれば十分です~全く問題ありません!  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
42/72

42 暗黒騎士

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

なろう投稿する第2作目です。

 暗黒騎士ゴルバは魔王に願い出た。

「魔王様。私は人間界に出てランスロと戦いたいのですが。自分のためだけに、自分の強さのみを追い求めてきた私が、あの者よりも劣るのかどうか試してみたいのです。」


「ゴルバからみると、他人のことを優先し弱さを感じるランスロは、存在すら許せないだろうな。いいだろう、ゴルバよ。ランスロと戦い、彼の今のほんとう力を私に教えてくれ。ザラも異論はないだろうな。」


「父様。結局ゴルバは負けて、ランスロの力を再認識させることになる。我の婚約者に挑もうなんて、私に対する配慮が全くないことには驚くが、勝敗は決まっている。自由にするが良いぞ。」




 魔族の大侵攻を最前線で防御するトランスファー城は、極めて巨大な城だった。

 巨大な城門から幅広い軍道が続き、魔族が現れた場所へ迅速に出撃できるようになっていた。


 その日の朝、城からは千人部隊が警戒偵察に出ようと城門が開かれた。

 すると、城門の外、軍道の向こうに黒い甲冑で体と馬を包んだ騎士が待っていた。


「あれは誰だ。国軍の中であのような真っ黒な甲冑を着る騎士はいないぞ。」

「雰囲気が全く違うぞ、外国からの使者なのか。」

「ホーク司令官に報告するのだ。」

「あそこに止って全く動かない、どういうつもりだ。」

「隊長、もう少し近づいて問いただします。」

「気をつけるのだぞ。」


 若い騎士の1人が、黒い甲冑の騎士に早足で近づいた。

 その時、黒い甲冑の騎士がしゃべった。

「スピア! 」


 千人部隊から少し前に出た若い騎士は落馬した。

 誰の目にも見えなかった。

 槍を構えて前進してきた黒い甲冑の騎士に突かれたのだった。


 そして瞬間的に信じられないスピードで、元の場所に戻っていた。

 黒い瘴気が上がっていた。

 黒い甲冑の騎士が大きな声で話し始めた。

「心配しなくてもいい。落馬した者は致命傷になっていない。」


 そして、さらに大きな声で叫んだ。

 人間とは思えない声量だった。

「ランスロ! ランスロ! ランスロ! ……」

 

 ここにきて千人隊みんなが気がついた。

 隊長が叫んだ。

「あれは人間ではない。魔族だ。急いで防御隊形を組むのだ。」


 自分を呼ぶ声は、城の中に待機していたランスロにまで聞こえてきた。

 彼のところに、ホーク司令官がやってきた。


「城門の外に魔族がいる。たぶんあれは、みかけは黒い甲冑を着た人間の騎士に見える魔族、暗黒騎士ゴルバだ。馬のように見えるのも体の一部で、全身を槍と一体化させて光りのように早く突きを入れてくる別名『スピア』という上級魔族だ。」


「僕をあんなに呼んで、僕と戦いに来たのですね。」


「ランスロ。槍には槍、そして馬に乗ることも必要か。」


「いいえ、マスター。馬に乗り槍を使って戦えば、暗黒騎士の最も得意な方法で戦うことになります。僕は逆に馬に乗らず、この剣を振って戦います。」


「それは確か、聖剣を打つことができる才能があるコンラート・ゾイゼンが君に贈った剣だね。」


「この剣と一緒に戦う時が、一番力が出るのです。」




 それからしばらくして、ランスロは歩いて城門の外に出た。

 千人隊が防御隊形を組んで、暗黒騎士の攻撃に備えていた。

「騎士ランスロ、暗黒騎士はあなたを呼んでから全く動きません。」

「わかりました。僕が今から出ます。」

「我々はどうすれば良いですか。」

「このまま防御隊形で備えてください。僕のことは心配しないで防御に努めてください。」


 ランスロは千人隊の防御隊形の外に出て、暗黒騎士の前に出た。

 暗黒騎士が言った。

「ようやく出て来たか。臆病者のランスロよ、やっと決心がついたか。」


 彼は暗黒騎士の挑発に乗らず、冷静な態度で答えた。

「すいません。この城はとても大きくて、ここまで来るのに時間がかかってしまいました。僕に何か御用があるのですか。」


「私と戦え! そして嘘で塗り固めた実力を披露するのだ。」


「基本的に戦うことは嫌いなんですが、戦わなくてすみそうもないですね。ところで、私の婚約者の許可はとっていますよね。」


「今のところの婚約者だけどな、ちゃんと御了承いただいているぞ。」


「すると、この戦いの状況も魔界に送られて見られているということですね。」


「そうだ、だからここでおまえが完全に敗北する姿を、しっかりお見せすることができる。それから、ザラ様は人間界への大侵攻を開始するのだ。」


「それでは僕は負けません。あなたに買って、多くの人々の幸せを守る義務があります。」


「自分のことを横に置いておいて、まだそんなことを言っているのか。負けて命を落すかもしれないのだぞ。いくぞ――スピア――」


 はるか遠くの距離から、暗黒騎士の槍が突き出された。

 それは、一瞬の光りのビームのように、立っている彼を突き刺そうとした。


 しかし、暗黒騎士はランスロのそばに倒れた。


 魔界でその瞬間を見ていた上級魔族以上でしか、その動きを追うことができなかった。


 ランスロは立っていたその場で、ほんのわずかに体を動かし暗黒騎士の槍を通過させた。

 そして、通り過ぎた暗黒騎士の頭を、甲冑の上からねらってゾイゼンの剣を振った。

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。


※更新頻度

土日祝日の午後です。

少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。


ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




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