28 2年次生9(奉仕活動)
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
なろう投稿する第2作目です。
士官学校の2年目が終わろうとしていた。
そして進級試験の内容が発表され、それを知った2年生はみんな驚いていた。
その訳は、あまり難しい試験ではなかったからである。
学校内の掲示板に張り出される時刻を待って、最初に見に行ったフィリップが急いで寄宿舎の部屋に帰ってきた。
「ランスロ、今度の進級試験はあまり難しくなさそうだよ。」
「ほんとうですか。フィリップ、どういう内容か教えてください。」
「1か月間、アベロン市内で奉仕活動をすることだよ。そして、それが終わった後、奉仕先の市民に合格点をもらうことができれば進級ということだそうだ。」
「奉仕活動というと、いろいろありますね。お店の手伝いをする。子供のお世話をする。御老人のお世話をする。市内のそうじをする。……」
「さっき、あまり難しくないと言ったけど、撤回するね。まだ世間しらずの子供の僕達が、毎日忙しく暮らしている市民のみなさんから認められるような奉仕活動をするのは、ほんとうに難しい。」
「僕は決めました。パン屋で働かせてもらおうと思います。料理上手の母親のマーゴが一つだけできないことがあります。それはパンをうまく焼くことです。少しでもパンを焼く方法を覚えたいのです。」
「そうなんだ――ランスロは母親思いなんだね。僕も考えなくちゃ。ただ、公爵家に生まれ何もかもやってもらう貴族の生活に慣れてしまっているから、できることを探すのは大変だな。」
「大丈夫ですよ。士官学校に入学してから、もうこの部屋で2年間一緒に暮らしていますが、平民出身の僕から見ても、フィリップは自分自身でいろいろなことをやっていますよ。」
「さて、明日から市内に出て、いろいろな所にお願いに行く必要があるね。」
翌日から、士官学校の2年生はアベロン市内に出て、奉仕活動先を探すことが許された。
ランスロは1人で大通りを歩いていた。
さすがに百万都市の大通りは、多くの人が行き交い、いろいろなお店があった、
目的としていたパン屋はたくさんあり、美しくおいしそうなパンを売っていた。
(こんなにたくさんパン屋さんがあるなんて、素人の僕を受け入れてくれるのだろうか。)
断られることが心配で、なかなか奉仕活動先を選ぶことができなかった。
ところが歩いていると、大変おいしそうな良いにおいがした。
店先をのぞくと、少し地味なパンばかりが売られているようだった。
彼はあることを考えて、店の中に入っていった。
「いらっしゃい。」
優しそうな店主らしいおばあさんが出迎えた。
「あら、その征服は士官学校の生徒さんですか。毎日の訓練大変ですね。食べ盛りだからおいしいパンを何個も食べることができますね。どうぞ、好きなものを選んでください。」
「ほんとうに申し訳ありません。買い物ではないのです。僕は士官学校の2年生のランスロと申します。学校の進級試験で1か月間の奉仕活動があります。お願いします。このお店で働かせていただけませんでしょうか。」
「2年生のランスロさん! 士官学校の訓練場に侵入してきた魔界のカマキリの大群を1人でやっつけてしまった学生さんですね。確か、あだながあったわね、なんだったかね………………」
「あの――まさか、最強の騎士、不敗の将軍になるランスロ! 」
「そうそうそう、私はそのあだなを最初に聞いた時、ぴったりだと思ったわ。魔界のカマキリがこのアベロン市内に拡散したら、大変なことになったんでしょう。それを防ぐため勇気を出して戦ってくれたなんて、偉いわ。」
「おほめいただきありがとうございます。……奉仕活動のことはどうでしょうか。」
「ごめんなさい。話がそれてしまいました。もちろん、喜んでお願いするわ。でも、どうして私の店を選んでくれたのかしら。私の店で売っているパンは他の店のパンと違い地味すぎると思いませんか。」
「はい。確かに見かけは地味ですが、かといって見栄えが悪いわけではありません。人を引きつけようとした強いアピールをしていないだけです。それから、このお店に近づいた時、とても良いにおいがしました。僕の母親がよく『とても良いにおいの食べ物は最高傑作だ。』と言っています。」
「あら、ランスロさんのお母様もかなりの料理上手なんですね。いつでもいいから、店に来てください。待っています。」
「ありがとうございます。」
ランスロは学校に帰ると届けを出し、次の日から奉仕活動をすることにした。
翌日、彼は早朝から校門を出てアベロン市内のおばあさんの店に歩いた。
ちょうど前を同じように進む女の子を抜かした時、なぜか引きつけられた。
そして横顔を見た時、見たことがあるような気がするとともに驚いた。
(とても美しい、きれいな女の子。)
おばあさんの店が近づき入ろうとした時、突然後ろから声がかかった。
「ランスロ! さっき、私に見とれたな! 」
彼が振り向いてよく見ると……
「ザラさん、でしたか。私服だったので別の女の子だと思いました。」
ザラは満面の笑顔になって再び言った。
「さっき、私に見とれたな!! 」
「………………はい。見とれました。」
お読みいただき心から感謝致します。
もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。
※更新頻度
土日祝日の午後です。
少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。
ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




