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私の勇者ならワンチャンあれば十分です~全く問題ありません!  作者: ゆきちゃん
第1章 プロローグ
18/72

18 学生生活8(ホーン山)

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

なろう投稿する第2作目です。

 シャドウクロウの大軍を一瞬にして消滅させた後、騎士ボーンは彼らの方に振り返った。

「君達はここまで、かなり早く登って来たんだな。士官学校の1年生がここまで来るには、もう少し時間がかかると聞いていたんだが。」


 ランスロが答えた。

「進級試験が始まった瞬間すぐに登り始めて、できる限り全力で登って来ました。その後、空気が薄くなり体を慣すためにここで休憩していたのです。」


「すぐに登り始め、しかも全力で。その意気込みはとてもすばらしいね。私は騎士ボーンです。」

「僕は士官学校の学生ランスロ、こちらは同級生のザラ、そしてフィリップです。」

 それぞれが、騎士に一礼してお礼した。


 その時、騎士が何かを感じた。

「フィリップ君は初対面だと思うけど、ランスロ君とザラ君は前にどこかで会ったことがあるのかな。」


「いいえ、始めてお目にかかります。」

「前に会ったことはないと思う。」

「そうか、きっと気のせいですね。それでは、無事に進級試験をクリアーできますように。」


 騎士はそう言うと、登山道を下って行った。

「剣圧でシャドウクロウの大軍を一瞬に消滅させるとは、すごい騎士ですね。」

「私もそう思うぞ。最強といわれている騎士ホークに引けをとらないな。」


 3人は、少しその場に留まった後、再び登り始めた。

 ただ、薄い空気に体がかなり慣れていたので、あまり苦しくはなかった。

 そのため、すぐに頂上にたどり着けるような気かしてきた。


 しかし、ホーン山の頂上にかなり近づいた時、様子が急変した。

 頂上までの道がそこでぷっつりと途絶えた。

 そして、ほぼ直角に近い切り立った岩の断崖が彼らの前に現れた。


 フィリップが言った。

「わーすごい断崖だ。どうやって登ればいいのだろう。皆目検討もつかないな。ランスロ、どうしよう。」


「もう日暮れが近くなっています。ひとまず今日はここで野営しましょう。」

 それから3人は分担して食事の支度をしながらテントを張った。

 支給された食糧は干し肉などの保存食だった。


 食事をしながらザラが言った。

「学校が試験場所にこの山を選び、山頂にあるブルーオパールをとってくることを条件としているということは、山頂まで登ることが全く不可能ではないということだな。」


「僕もそう思います。切り立った岩の断崖しか見えていないと、不可能だという気持ちになりがちです。しかし、森林に隠された他の面はどうでしょうか。明日、調査してみましょう。」

 ランスロが提案した。


 フィリップも賛成した。

「ランスロの言うとおりだ。確か学校の授業でも、1つのことに捕らわれず、多角的に物事を見る重要性について教わったね。」




 次の日の朝になっても、他の学生達の姿はまだ見えなかった。

 3人は岩の断崖の側面に回り込んで、森林に入り込むことにした。


 森林の中は薄暗く、上に登る道を見つけるのはとても難しそうだった。

 しばらく歩き続けて3人はとても不安になってきた。


 そんな時、フィリップがある音に気がついた。

「あれ、水の音が聞こえる。水は高い所から流れるから、流れさえ見つけることできれば、頂上にたどり着けるかもしれないね。」


 他の2人も耳をすました。

「確かに聞こえます。」

「そうだな。あれは水の流れる音だ。」


 慎重に歩いていくと、少しずつ音は大きくなってきた。

 そして、目の前に小川の流れが現れた。

 フィリップが提案した。


「ここから登ろう。」

 それから、流れ沿いの道を3人は登り始めた。

 非常に狭いスペースしかない中を、木の枝をかき分けながらゆっくり進んだ。


 かなりの時間が経った後、それは急に現れた。


 木が全く生えていない森林限界で、開けた場所に出た。

 3人がその場所に出ると、激しい突風に吹かれた。


 頂上だった。

「やった――」

 3人は手を取り合った喜んだ。


「さあさあ。ブルーオパールを探さなければいけないな。ところで、ランスロとフリップはブルーオパールを見たことがあるのか。」

 ザラが重要なことを指摘した。


 ランスロが首を振った。

「僕は森林の中で育った裕福でない平民の子供です。だから、宝石類を全く見たことがありません。ましてやブルーオパールなんて……」


 ザラがフリップに聞いた。

「フィリップは見たことがあるな。なんといっても最高位のグロスター公爵家だ。」


「いいえ。僕の家は公爵だけどゴード王国に全てをささげるため、質実剛健を家訓(かくん)としてるんだ。だから、自分を飾るための宝石なんて全く持っていないよ。僕の母様なんて地味な服装しかなく、舞踏会の時はかえって逆に目立ってかわいそうなんだ。」


 最後はザラだけになって、2人はザラの方を黙ってじっと見た。


「私か。ロスチャイルド家はさまざまな商売をやっていてな。その中でも宝石の売買は、私の家で最も重要な商売だ。世界最高の宝石鑑定人と言われている父様が、誕生日のプレゼントとして世界で最も高価なこれをくれた――」


 ザラが首にかけていたネックレスを取り出して2人に見せた。

 大変美しく青色に輝く宝石がついていた。


「これがブルーオパール、幸運の石だ! 」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。


※更新頻度

土日祝日の午後です。

少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。


ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




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