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私の勇者ならワンチャンあれば十分です~全く問題ありません!  作者: ゆきちゃん
第1章 プロローグ
17/72

17 学生生活7(ホーン山)

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

なろう投稿する第2作目です。

 士官学校の1年目も終わりに近づいていた。

 基本的なことを反復継続して勉強した1年だったが、1年生達の頭を悩ましていたのは2学年への進級試験だった。


 進級試験は例年、合格率が50%ぐらいの極めて難しい試験だった。

 王族や貴族出身者が大部分の学生は、落第を機会として退学を選ぶ者が少なくなかった。

 そのため、士官学校の2年生は1年生の半分の100人くらいしかいなかった。


 試験の内容は毎年変えられたが、今年の内容が学校中に示された。

 それは、与えられた最小限の装備で魔の山と呼ばれているホーン山に登り、山頂にあるブルーオパールを持ち帰るということだった。


 しかも、3日間という時間制限があったが、それは大人でも達成できるのは難しいと思われる条件だった。


 寄宿舎の部屋の中で、フィリップがため息をついていた。

「は――――――っ。どうしよう、たぶん落ちる。留年して1年生を繰り返すのを、父上は許してくれるかな。グロスター公爵家の恥さらしだとしかられるかも。ランスロは自信あるの。」


「もちろんないですよ。それに試験に失敗しても、たぶん僕の両親は何も言わないと思います。両親は森の中で暮らしている平民だから。フィリップは大変ですね。どのくらいのプレッシャーか、僕にはとても想像できません。」


「それにしてもどう思う。今度の試験は例年に比べて厳しすぎるとみんなが言っているよ。露骨に進級者を振り落としているみたい。ホーン山を3日間で踏破(とうは)するのは大人でもとても難しいことだし、それにあの山には魔物がいるみたいだよ。」


「魔物ですか、それは知らなかったです。目撃されているのですか。」

「うん、C級ぐらいで人間を襲うこともあるそうだよ。もちろん、学生の安全を守るため騎士団から強い騎士が派遣され、ポイントに配置されるんだって。」


「少なくとも恐れてはいけないと思います。目の前にある目標を恐れるだけで、既に実質的な撤退に入っていると教えてもらいました。――それではフィリップ、僕と共同して行きませんか。」


「僕にとっては大変ありがたいことだけど、個人に対する試験なのにいいのかな。」

「共同してホーン山を踏破(とうは)しても、問題ないと思います。」


「よく考えるとランスロの言ったとおりだ。みんなで共同して戦うことは大切だからね。ゴード王国を敵が襲ってきたとしても、騎士は共同して防衛することになるからね。」

 2人はよく相談して、出発しなければならない最も早い時刻にホーン山を登り始めることにした。




 試験時間の開始直後、ランスロとフィリップは登山口の記録所に着いた。

 ランスロが記録官に申請した。


「ランスロとフィリップ、今から登山を開始します。」

「今年の新入生はすばらしいな、試験開始直後にもう3人登り始めるのか。」

「えっ……3人? 」


 2人が登山道の入口に行くと既に1人いて、2人を待っていたようだった。

「おはよう! 」

 ザラだった。


 ランスロが驚いて言った。

「ザラさん。どうして……」

「ランスロなら、必ずこの時間に来ると思ってな。」


 ザラはフィリップの方を見て言った。

「それに必ずチームを作ると。親友のフィリップかどうぞよろしく。」

「フィリップです。こちらの方こそよろしく。」


「どこから見ても最強のチームだな。」

「さあ、行きましょう。」

 3人はホーン山に登り始めた。




 歩いて登れるが、かなり急勾配で山頂がぐんぐん近づいて来るようだった。

 自然に登るスピードは早くなった。

 しばらくしてランスロが言った。


「ゆっくりと登りましょう。空気が薄くなっているから、体を慣しながら登る必要があります。」

「そうか。私は全然大丈夫だが。」

「気がつかないだけです。少しの注意が大きな危険を防ぎます。」


「不敗の将軍になる者は違うな。そうしよう。」

「ありがとうランスロ助かるよ。僕はちょっときつくなっていたんだ。」

 それから3人はゆっくり登り始めたが、やがて3人とも大変きつくなった。


「ここで、しばらく休みましょう。」

 登山道の途中に開けた広い場所があったので、3人はそこで腰を下ろして休憩した。


 水分を補給しているとフィリップが言った。

「もうこんなに景色がきれいなんだね。」

 ランスロも同じ気持ちだった。

「そうですね。いつまでも見ていたいですね。」

 ところが、ザラがあわてて言った。

「あれは何だ。なにか右下から上がってくる。」


 右下をランスロも見て、彼にはそれが何かわかった。

「シャドウクロウの大軍だ。こちらに向かってくる。」

 彼は護身用のナイフを取り出した。

 他の2人も同じだった。

 最小限の装備しか与えられていないのだった。


 シャドウクロウの大軍はだんだん近づいて来た。

 するとその時、3人の前に甲冑を着た騎士が飛び出してきた。

 そして、剣を構えると詠唱して大軍に対して一撃を放った。


 その騎士から、強烈な覇気(はき)をまとった剣圧が放たれた。

 剣圧はシャドウクロウの大軍を一瞬にして消滅させた。


 その騎士はボーンといい、ホークから最強の名を受け継ぎつつある実力の持ち主だった。

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。


※更新頻度

土日祝日の午後です。

少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。


ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




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