やったぁ!!木に転生だあ!!
その女神の言葉は、怖いほどに、白い空間に響いた。みんななにも言わない。その言葉が意味することはあまりにも残酷すぎた。帰れる、帰れないがわからない状況と、帰れないが確定したこの状況はあまりにも違う。
みんなが黙り込むのも無理がないだろう。しかし、俺は喜んでいた。いま喜んでるの俺だけだろう。普段の窮屈な暮らしからやっと解放される。夢が叶う。ワクワクドキドキが止まらない。一人であの有名テイマパーク、マスコットキャラのドザエモンがいる、ドザニーランドに行こうとした時と同じぐらいワクワクドキドキだ。入園した時、一人できてたの俺だけで絶望したけど。
「魔王を討伐しなきゃ帰れない…?な、なんの冗談ですか!?い、今他のクラスを帰したように私を帰せないんですか!?どうして…!」
『実は、今ので私の力をほぼ使ってしまって…あとは異世界に転生させるだけの力しか残ってないんです』
「そんな……」
委員長の質問でもう、完全に帰れないことをみんな理解したようだ。中にはちょっとワクワクしてる人もいた。うちのクラスはよく先生に「切り替えが早いですねー」と言われていたが、まさかここまでとは。
陽キャの偉大さには、驚かされるばかりだ。
『じゃあ、そろそろ転生させますね』
そんな軽い感じでいいのか女神。
「え、ちょっと待ってくださーーーーーーー」
『転生、開始』
さぁ、やっと転生の時間が来たぜー!!!!!!
おっと、テンションがまたおかしくなってしまった。でも楽しみだなぁ。どんな世界だろう。どんな職業につくかなぁ。勇者もいいけど、暗殺者とかもいいな!楽しみだぜ!
早く転生してー!!!!!!!!!!!!!!!!!
『転生に成功しましたあなたの職業はーーーーーー
“木” です』
ふぇ?
『木です』
俺、転生しました!やったぁ!!木だあ!!