白い空間
(うぅ…)
(ここは…?)
謎の光に包まれ、気づいたらここにいた。ここは白以外の色が何もないみたいだ。上も下も横も、全て真っ白な空間だった。すると、俺の周りがまた光出す。
「な、なんだ!?」
すると俺の周りに同じ高校の生徒が寝ていた。どうやらまだ目が覚めてないようだ。
だいたい700人くらいだろうか。
ちなみに、この700人の中に友達はいない。…それを再確認して、少し泣きそうになった。
「な、泣いてる場合じゃない…!ていうか、この流れってもしかして…」
異世界転生の流れじゃ…?と言う前に周りの生徒が起き始めた。
「ううん……?」
「ここは…?」
「いきなり何が…」
みんな起き始めた。いきなりのことで、みんな焦っているようだ。
スマホを使って電話をかけようとしてる人もいたが、どうやら使えないみたいだ。
みんな完全に我を失っている。すでに泣いてる子もいた。確かに、さっきまで駅にいたのだ。いきなりこんなことが起きたら誰でも不安を覚えるだろう。
「み、みんな落ち着いて!」
いきなりそんな声がして振り向く。
(あれは確か…)
学級委員長の望月咲さんだ。
凄いしっかりもので、美人、おまけに金持ちで人脈も厚い。
「ここがどこかはわからないけど、みんな無事かしら!?」
どうやら学級委員長の声を聞いてみんな少し落ち着いたようだ。
「あぁ…」「うん」「だ、大丈夫」など、人それぞれ返事をしていた。
「さすが望月だ」
と言って一人の男が近づいていく。
あいつは神木悠斗、学校一のイケメンだ。優しくて話しやすい。この高校のツートップがそろった。
この二人が来たことで、みんなかなり安心したようだ。
そして少し落ち着いた空気が流れた時、突然、この真っ白な空間に黒い隙間がでた。いきなり現れたその裂け目にみんなが振り向く。すると、その裂け目から美しい女性が出てきた。天使のような羽が生えて周りが光っている。そして、その女性は ーー
駅のホームで見た女性だった。