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24#お言葉に甘えまして…

カレンのキャラ崩壊注意!久しぶりすぎてキャラを掴めていないプリアです。


 目が覚めたら、最初に通された客間のベッドの上にいた。


「あの時……」


 白い光があたしの視界を埋め尽くした、その後の記憶がない。

 あの後、どうなったのだろうか?あたしは倒れでもしたのだろうか?倒れたとしたら……大きな力を使った反動でショートを起こしたってところかな。

 ふと気付くとお腹の部分が自棄に重い気がした。何かに打ち付けた記憶は勿論ない。倒れた時に打ち付けたと仮定するとしても、お腹の部分よりも先にぶつけるところがあるはずだ。頭とか膝とか。いやまず、重さによる息苦しさはあるが、痛みはない。

 起き上がって自分のお腹の部分に目をやると白い蹴鞠程のぬいぐるみのように愛らしい竜が一匹。それをみた瞬間、何故かどっと疲れて、癒しを求めてそれをぎゅっと抱き締める。苦しそうなくぐもった声が聞こえた。……無視した。




 リーを抱き締めてどれくらいたったのか。何分?いや何時間かもしれない。寝起きでぼーっとしているがために時間の感覚がなくなっていた。


 扉を叩く音で意識がはっきりした。この世界に来てからよく聞くようになった音だ。今までは扉を叩くなんていう常識のある住人は家にいなかったから。

 『はい』と小さく答えると、予想していたメイドの姿はなく…。

 『おはよう』とにこっと笑う少年がいた。ただの少年でないことはよく知っている。この少年は朝一番に会いたくない人ランキングで惜しくも二位に位置している。因みに一位はこの少年の兄、だったりしちゃうのだが、わざわざ言う必要はない。


「セナ、朝食まだでしょ?用意したから、一緒に食べよっ」


 首を傾げて手を差し出す(もっと細かく付け加えると瞳はうるうるして上目遣い)姿は計算し尽くされた物のように思える……思えるが、その可愛らしさに免じて喜んで騙されてあげましょう。


「うん。着替えてから行くから、ちょっと扉の外で待っててね」

「分かったぁ」


 にこっと完全なる作り笑顔で微笑むと、ニコニコと満面の笑みで出ていってくれた王子様。もっと渋るかと思ったから、ちょっと面食らった。


 さて着替えよう、とクローゼットの中身を物色する。ドレスばかりで中々良い服が見つからない。


「色は派手じゃなくて、宝飾品はもっての他。胸元は開いてないのが良いなぁ」


 思い付く限りの服の条件をとにかく挙げながら、これじゃない、これじゃ駄目と選別していく。

 そんな中、感じた視線。感じた視線の先にゆっくりと向き直って優しく微笑んだ。


 無言で微かに開いていた扉の隙間をなくし、一度も使ったことのない鍵を回す。


 ――覗き禁止!


 扉の外側から『あ~!セナの着替えシーンがぁっ!』という叫び声にも似た嘆き声が聞こえてきたような気がしないでもない…。


 ……ソレハ誰ノ影響デスカ?










 今日の服は紺色のシンプルなワンピース。フリルはついてなくて、膝丈のそのワンピースは宝飾品どころか模様も付いてなくてあたしの好み。手に取ると生地の滑らかさで即座に安物ではないと分かってしまうが、見ただけでは分からないような質素な作りになっている。

 因みに付け加えると、クローゼットの中の服で一番まとも…というか、他には着れないような服しかなかった。明日、その中から選ばなければならないと思うと今から憂鬱になってくる。

 さて、今日は何をしようか。何となく部屋を見渡すと、目に入ってきた派手なドレス。

 ……街に行こう…。


 そう言えば、この国の通貨とか円で換算するといくらかとか何も調べてなかった。ちょうど良い機会だから、服とか自分で揃えるついでにちょこちょこっと調べることとしよう。

 今日はゆっくりしたいから、扉の前で今か今かと待っているであろうカレンは置いていくとして、誰に付き添ってもらおうかな。


「リー、今日街に行こうと思うの。リーはどうする?」

「うむ…我はこれからやらなければならぬことがあるので付き合えぬ。すまぬな」


 リーを遠回しに誘ってみるも撃沈。

 ところで、『やらなければならないこと』って何だ?首を軽く傾げるとリーは『書庫に行って調べ物をするだけだ』と詳しいことまでは教えてくれなかった。ちょっと気になったので、拗ねたフリをしてみるも、ただ慰められただけで終わってしまう。本気で拗ねかけた。


 仕方ないと割り切って、リーの追求を止める。

 付き添い相手になりそうな人物を頭で思い描きながら、ゆっくりと扉を開いた。……抱き付かれた。











 朝食。カレンに連れられてやってきた部屋は前にも昼食をとった広間だった。相変わらず、どでかいテーブルが自己を主張している。

 王様に今日の予定を聞かれ、街に出ることを言うと、予想通り、カレンが自分も着いていくと言い出したので、止めようとしたら、ダズルスさんまで着いていくと言い出す始末。二人の言い合いに呆れ、無言で朝食に口を付けていると、王様が言う。


「セナ、そなたには二度も助けてもらった。どれだけ礼をしても足りないが、その礼として謝礼金を受け取ってくれ。勿論、最初の条件に上乗せ、という形で構わない」

「……いいんですか?」

「大した額じゃない。命を二度も助けてもらったことを考えれば、まだ足りないくらいだ」


 そう言って豪快に笑う王様。謝礼金をくれるという申し出は有り難く受け入れることにした。この世界で使えるお金を持っていなかったから。リーに貰おうと思っていたが、何だか悪いなあって思ってたんだよね。


「何か思い付いたらいつでも言うと良い。出来るだけ叶えられるようにしよう」


 その言葉を聞いて、頭を過る『お願い』。


「では、お言葉に甘えて。一つお願いがあります――」

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