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22#終焉の開幕は不思議な程穏やかで

 晩餐会の会場。其処は何畳あるのか分からない程、広い広い大広間だった。

 お城の中を探険させて貰った時に一度見たことがある。

 あたしには関係ない場所だと思っていたからちらっと覗いただけで素通りしたけど、まさか其処に足を踏み入れることになるとは思ってもみなかった。

 因みに、お城の中の体験はリーと一緒。王様直々に許可を得て、どの部屋にも入れるようにと鍵の束(非常に重い)と許可証(非常に長い)を貰った。

 優遇されていると思う。でも、こんなもの持たすのはどうなのか。イジメか、苛めなのか。

 そう思いつつも、リーにそれを魔法で小さく軽く変えてもらった。リーは変化と防御が得意らしい。


 リーの変化魔術を見るたび、どの属性を使っているのかと思ってしまう。

 リーによると、二属性以上を組み合わせることによって全く異質な新たな効果を生み出せるんだとか。

 その効果は、同じ属性の組み合わせでも人によって違い、二属性以上を持つ人がほとんどいない為、種類の数、特性、効果など何一つ分かっていないらしい。

 つまり、単属性はその元素しか使うことは出来ないが、多属性は属性を組み合わせることによって新たな力を付与することが出来る……が、未だ何も解明されていない、と。

 あたしも多属性だから、多分あたしにも使えるはず。いつか試してみようと思う。



 大広間の大きな扉の前に着くと、既に其処には先客がいた。


「……カレン、入らないの?」

「…ぁ、えと…セナと入ろうと待ってたん…だ」


 カレンの様子が変。

 どうしたのだろう?さっに会った時はいつもと変わらなかったのに。

 ……あ、もしかしてこの格好か。

 ガルロもリウナスもだけど、ちょっと失礼すぎやしないか。お世辞の一つも言わないなんて。


 視線を自分の纏っているドレスに向けた。

 綺麗な群青の上質であろう布。ひらひらのレース。カレンがくれた宝石のついたネックレスが首元でキラキラ光って、手首にはリーから貰ったブレスレットが……あれ?付けてない。

 どうやら部屋に置いてきてしまったらしい。

 まぁ、いいか。本人?が此処(肩)にいるし。


「カレン…大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。セナがあまりにも綺麗だから言葉無くしちゃった」


 てへっと笑うカレン。復活したらしい。

 でもね、カレン。そんなに無理して褒めなくていいから。お世辞も程々にね?

 カレンがぼそっと「リウナスもガルロスも、セナのこと見つめないでくれる?セナは僕のものなんだからね」と黒いオーラを纏って牽制していたことにあたしは気付きはしなかった。


 カレンは未だ繋がれていたリウナスとガルロの手からあたしの手をぶんどって、自分の指と絡めた。所謂、恋人繋ぎというものだ。

 リウナスとガルロは少しの間あたしと繋がれていた手を見て呆然としていたが、ふっと我にかえり、あたし達の前にそっと出る。リウナスは左、ガルロは右の扉を同時に開いた。






 堂々と歩くカレンが初めて遠い存在に思えた。


 こんな小さな身体でも一国の皇子なんだと、知っていたはずなのに。






「ローレンス国第二皇子、カレスティア・ラクティスヘレスト様、並びに婚約者のセナ・ミズキ様ご入場!」


 司会であろう男の人が高らかに叫ぶ。

 周りの視線が痛い痛い。

 周りをそれとなくちらりと見回すと、大仰なパーティーだということが分かった。覚悟はしていたので、驚くことはなかった。


 カレン…というよりは後ろに控えているガルロとリウナスへの美女からの熱い視線の多いこと!やっぱりモテるんだ、なんて考えながら横に視線を向けると……何故か膨れているカレンがいた。


「どうかした?」

「僕の婚約者だって言ってるのに……これ程主張させてもまだ足りないの…!」

「……?」

「セナがそんな格好してるからだよっ」


 ……は?あたしのこの格好が酷過ぎて視線を集めているって言いたいの?

 カレンってば、あたしに遠慮がなくなってきているような気がする。遠回しに言うくらいなら、はっきり言ってくれる方が良いのに。


「……セナ、何か勘違いしてる?」

「勘違い?」

「セナが可愛…いや綺麗過ぎるから皆見てるんだよ?」

「そんなわけないでしょ」

「そんなわけあるの!…もっと自覚持ってよねっ。……セナは僕のものなんだから」


 ……自覚。自覚ねぇ…。そういえばルリシアさんにも言われたっけ。


 因みに『セナは僕のもの』発言についてはスルーしておくことにする。否定するのも面倒だ。


 目線をふと前に向ける。

 すると、今一番厄介であろう人物と視線がかち合ってしまった。

 や ば い。

 瞬時にそう思ったけど、時既に遅し。

 奥で美女に囲まれていた美形がゆっくりとこっちに向けて歩を進め、あろうことか、あたしの目の前で止まったのだ。


「楽しんでおられますか?」


 優雅に微笑んで彼は言った。



お待たせしました!今回短かったのは、下書きが行方不明になってしまったからですorz  ちょくちょく更新していきたいとは思いますが、次回の更新にまた期間が開いてしまうかも知れません、すみませんm(__)m

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