表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/32

20#裏の思惑、裏の暗躍

 ダズルスさんの口から過去を聞いた日から既に一週間が経っていた。

 何事もない安定した日々。

 大分この国、この世界に馴染んできてるなあと自分でも思う。


「セナーー!」

「ん?あ、カレン」


 大声で呼ばれて、後ろを振り返る。

 満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくるカレンが見えて、くすっと笑いを零した。

 カレンがあたしの胸にダイブ。習慣化されつつあるこの行為は、この一週間で慣れてしまった。

 相変わらずあたしは、カレンの婚約者の扱いを受けている。あたしがどれだけ否定しようと皇子である本人が肯定するんだから、その扱いが変わるわけが無いのだけれど。

 襲撃事件の方は進展があんまり無いみたい。王様からちょこっと聞いた話によると、黒幕が見つからなくて捜し回っているらしい。早めに潰したいらしく、あと一週間程経っても見つからない場合、あたしに救助、というよりは手伝って欲しいと直々に賜った。正直言うと面倒なので、どんな手を使っても良いから早く黒幕締めちゃって欲しい。


「セナ!これセナに!」


 あたしに抱きついたままカレンが何かを取り出して首に通した。

 多分ネックレスだろう。高いものだと心苦しいから、安いものだと有難い。……無理か。相手は一国の皇子様だ。


 ちらっと目線を下げると、見たことのあるネックレスが視界に飛び込む。

 ……ん?…ああ、あの時か。

 カレンと一緒に城下街に行った時に見た、深い群青色の宝石が付いたネックレス。改めて見ると、やはりカレンの瞳の色ととても良く似ている。

 値段は……うん、城下街で普通に売っていたものだし、目が飛び出すようなものではないだろう。……多分。きっと。


「そのブレスレットみたいにいつも付けててね?」

「え?」

「いつも付けててもらわないと意味ないからさ」


 語尾に音符が付きそうなノリで言われた。

 意味がないってどういうことだろう?

 そんな疑問が頭を掠めたが、別にあたしに関係なさそうだったので頭の隅に追いやった。

 ……その判断が大いに間違っていたと気付いたのはもう少し先のことである。


 ところで、ダズルスさんから聞いた話は、一応カレンに掻い摘んで話した。カレンが聞きたいと言ったからだ。話を聞き終わったカレンの顔は何故か晴れ晴れしているように見えた。カレンの闇が薄くなったと感じた。

 カレンは泣くでもなく、怒るでもなく、悲しむでもなく、ただ淡々と事実を受け止めていた。それでも、手が微かに震えていたことに気付いたのは近くにいたあたしだけだと思う。強く抱き締めてあげたくなった。大丈夫だよと伝えてあげたくなった。


「…そういえばカレン。今日何があるの?メイドさん達が走り回ってるんだけど…」

「あれ、知らない?今日は夕方から晩餐会があるんだよ」


 ……晩餐会?

 嫌な予感がするのはきっとあたしだけではないはず。

 あたしは恐る恐るカレンに問い質した。


「……それって、あたしは…出ないよね…?」

「セナは強制参加」


 …………。


「え?今何か言った?」


 ちゃんと聞いてたけど信じられなくて、いや信じたくなくて惚けてみたのに…。


「だからぁ~『セナは強制参加』、だよっ」


 だなんて無邪気に言わないで欲しい。

 晩餐会なんてカレンは言ってない。それに強制参加だなんて冗談でも言ってない。

 そうやって現実逃避しているあたしの横で、『セナのドレス姿早く見たいなー』とか『宝飾品は絶対それ付けてね』だとか瞳をキラキラ光らせてるカレン。

 今のあたしとカレンは対照的だ。


「……はぁ…」

「何ため息ついてるの?」

「憂鬱」


 あたしはそれだけ言って自分の部屋に足を向けた。

 カレンはこれから衣裳合わせがあるらしい。あたしの部屋にもメイドさん達が尋ねてきて、衣裳合わせやるらしいけど、はっきり言って面倒でやってられない。

 晩餐会なんて実際見たことないけど、大規模になるだろうってことは分かってる。だって、開催地がお城だよ?馬鹿でかいお城だよ?しかも、カレンだけじゃなくて王様も出席するだろうし、下手するとダズルスさんまでいそう。

 沢山の美女をエスコートするダズルス様…うわぁ…簡単に想像できるんですが…。カレンは美女に押し潰されてそう。

 そんな美女の大群の中にあたしを放り込もうだなんて間違ってる、絶対に。あたしなんか一般庶民なんだから。王族の皆様を引き付けたり魅了する美貌なんて皆無なんだから。


 今日、あたしはカレンの正式な婚約者として紹介されるんだと思う。

 婚約者、なんて認めてはいないけど、もうどうにでもなれって感じ。どうせ、カレンと結婚なんてしない…出来ないし。


 それにしても、今日の晩餐会大丈夫なんだろうか?

 襲撃事件の黒幕、まだ見つかっていないのに。…いや、だから、か。

 今日の晩餐会、表向きはあたしの紹介。裏の目的は……黒幕を引き摺りだすこと。

 あたしを蓑に使うなんて嫌だけど、考案者はきっと王様。おとなしくしていよう。王様に逆らうなんて馬鹿なことする必要なんか無い。


 あー憂鬱だ。

 こんな時はリーに早く会いたい。癒されたい。抱き締めたい。


 あたしは、足早にその場を後にした。




……こんな感じ。

こんにちは、プリアメテスですー。


文章力がなさすぎて泣きたくなる今日この頃。

寧ろ、泣いても良いですか?←


次回は衣裳合わせのお話。晩餐会はその次さ← 中々進まない小説でスマソ← 今日はテンションがおかしいようです←




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ