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地獄の日々、そして

             「これからは、地獄だぞ!」

          そう、笑って云った君・・・・オレは笑えないぞ。


 その次の日から、地獄(修行)が始まった。夏休みまであと6日少しなので、学校から帰って来てから始まる。

「おいっ!睦!まっすぐ水を放て!」

初めは、水をまっすぐ放つ練習(地獄)だった。まっしーにコントロールのコツを教えてもらいながらも、オレはまっすぐ放てない。ぶっちゃけ云うとオレはコントロールは悪い。野球だってボールをキャッチできるのだが、どこに飛ぶかわからない。こんなオレが水なんて放てるか?

 だが、鬼衣瑠はいつも励ますように云う。

「コントロールは、ダメダメだが・・・威力は多分、オレに近いかもしれない。諦めるなよ!」

と。確かにオレも自分で思うときがある。河原で修行(地獄)をしていて、鉄パイプをまぐれで当てたときは、オレの水だけで粉々に飛び散った。威力だけはあるってことか。でも、鬼衣瑠の威力は、こんなものじゃない・・・・はずだ。前、家で鬼衣瑠が雷のソウルを見してくれた。フライパンの取っ手だけが綺麗に残った。あれは、ほんのスパークの様な物だったから取っ手が残ったので本気はもっと凄いはずだ。小さい体のどこにそんな力があるのか・・・・。


 ある日、学校で国語の授業を受けているときに思いついたことがある。オレが一番嫌いな教師「坂田・・・先生」になら、まっすぐ水を当てられそうだ、・・・・・と。なに馬鹿なこと考えてんだ?と、自分で思いその考えは消去されたはずだった。

「いい考えだと思うが?よし!やってみろ 睦ぃ!」

の、言葉を聞くまではね。ある意味、家でもあいつの顔を思い浮かぶのは・・・イヤだ。だが、実際やってみると上手くいくものだ。坂田(鉄パイプ)に見事命中!!

「睦様・・・その人のことどんだけ嫌いなんですか?」

「ん〜・・・国語より嫌い!」

まっしーは呆れた顔をしているが、オレは真剣だぞ!本当に嫌いなんだ!


 まっすぐ水を放てるようになってから、オレは意外と楽に修行が進んでいった。もう、坂田(先生)の顔を思い浮かべなくてもまっすぐ水を放てる。その後どんな修行(地獄)をしたかは

また話したいと思う。

 そして、やっと学校も夏休みに入り、修行も最終段階に入った。最終段階の修行はなんだか雰囲気がいつもと・・違う。いつもの河原なのだが、鬼衣瑠はソウルを放つ準備をしていて、まっしーは、救急セットを持っていた。

「最後の修行だ。これが出来ればシャイングに行ける。いまから云う言葉を云って、拳にソウルをためろ」

その言葉を聞いて少し安心した。オレの中では鬼衣瑠と戦うかと思っていたから。

「云うだけでいいのか?なら早く始めようぜ!」

オレの一言の後に、鬼衣瑠は顔を引き締めて云った。

「油断するなよ睦。集中しないとお前が、暴走して大怪我するぞ」

その意味も聞けないまま修行は、始まった。

「「天よ、我の拳にそして我に力を与えたまえ・・・のあとに睦みはソルティスと叫べ」」

なんか、予想外だった。マンガに出てきそうだが本当に大丈夫か?

「わかった・・・・やる!」

オレは一呼吸してから唱えた。その時頭に、家族4人で過ごしていた風景が現れた。

「天よ、我の拳にそして我に力を与えたまえ・・ソルティス!」

オレは、拳を晴れた空へ向けた。何かが入り込んでくる感覚がした。自分の体を見るとオレの体は、ソウルに包まれていた。水の中にいる感覚だった。

「成功??」

鬼衣瑠とまっしーに顔を向けると、笑顔で返してくれた。

「やっぱお前凄いなぁ!睦!」

彼の笑顔で肩の力が抜けた。これで、行けるんだ。笑ってるんだか泣いてるんだかわからなくなってきた。でもオレは笑ってはいただろう。

「明日にでも出発だな。準備しとけよ!」

とうとう明日か・・・。嬉しくもあって、少し恐かった。でも、お前らの顔を見ていたら恐さなんて吹っ飛んだ。空を見上げるとそこは雲ひとつ無い快晴だった。


明日、オレは人間界を去る。



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