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    「心からありがとう云える、そんな日が来る信じていよう・・」



 初めて水竜を呼んだのは(シャイングで)20年前の人だったらしい。その話を聞いていたらオレには出来ないだろうと、思ってきた。

「睦!まずは、水と心を通わせろ。そして水と一体になったら水竜を呼ぶ事ができる」

あぁ、まだ呼べないんだ・・。でも、一体って何なのさ!それって修行になりますか?でも、鬼衣瑠が云うんだからなぁ。

「で、どうやって心を通わせるの?」

「えっと・・・ずっとソウル身に纏ってろ!それで水から何かが聞こえたら、心が通った証拠だ」

え!ずっとかよ。それに何か聞こえるって、声かな?何なのか聞こうとしたがもう鬼衣瑠は居なかった。

オレはソウルを体に纏ったまま立ちすくんでいた。


 町を歩くときも、人と話すときも、どんなときもオレはソウルに包まれている。でも、これなら涼しいので便利かもしれない。皆はオレの事を不思議がらずに、頑張れよと応援してくれた。魂操者なら皆一度はやるらしいのだ。

「まだ、何にも聞こえないな・・・。まぁ、そんな簡単じゃないだろう」

そんな独り言を云ってオレは歩いていたとき、眼の前に環が居たのだ。人並みを潜り抜けて環の肩に手をかけた。

「だっ・・・むっくん!久しぶり・・・あぁ、修行中か。頑張れよ!」

「ありがと。それでさ、環もコレやったんだろ。どのくらいかかった?」

オレたちは人並みをよけ、店の中に入った。

「どのくらいだったかな?・・・・でも、2週間以上はかかったと思う」

「へぇ、結構かかるんだな。オレも頑張らなくちゃ!!」

環にお礼を云い、オレは町を走り抜けお気に入りの丘へ行くことにした。

 この丘は町全体が見渡せて、風が気持ちいいのだ。太陽に手を翳すと、水のソウルが綺麗に光って見えた。そんなことで遊んでいると後ろに気配がした。振り向くと、そこには零さんがいた。

「へぇ、君もこんな所来るんだね。意外だよ・・・修行中なのにね」

「・・・あっ!零さんはこの修行何週間で終わりました?」

オレと少し距離を置いて座った零さんは、オレを見ないで話を続けた。

「僕は、二つ属性があるからね・・・・六日くらいかな」

六日って凄いなぁ。一つの属性に三日ってことだよな。コツとかないのかと聞いたが君に教える筋合いはないと断られた。

「じゃあ、オレ行きます。どうもありがとうございました」

オレは頭を下げて、家に帰った。


 一週間と三日が過ぎていた。全く何も聞こえない。鬼衣瑠に云っても、普通このくらい待つんだと云われたが早くしたい気持ちでいっぱいなのだ。昼ごろ、鬼衣瑠と水竜を呼ぶ場所を確認しに行った。

「ここで呼ぶんだぞ!ただ、うまく操れるかが問題だな・・・・」

「うん、オレも心配。そこが一番心配・・・・」

その時、いきなり眼の前が見えなくなった。すると、その声は頭の奥に響き渡った。

「貴方は私に選ばれた・・・・貴方ならきっと大丈夫・・・・」

何なんだ?この声・・・。鬼衣瑠を見ると、彼は親指を突き出し

「よし!合格だ。よくやった」

そう、あれがソウルの声なのだ。

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