第3話「強大なそれは前触れなど見せない」
時は流れ、彼女たちは周りの人に噂されるほどの仲良し姉妹として認知され始めた。
しかしこの状況は彼女たちにとって好ましくないものであり、おばあがひとつの決断をする
「小さな冒険者の街『リグレット』へ行くよ」
「どうしても? せっかくこの街の生活にもなれて、新しい友達だってできたのに」
「本来私達はひとつの街に長期滞在することさえ望ましくないんだよ」
突然のおばあの街を出るという言葉にレナが心底嫌そうに答える
「柚ちゃんもいいかな」
「私は大丈夫ですが」
無論柚希は現状なぜこの街を離れどうして冒険者の街へ行かなければならないのか、その理解が出来ている訳では無い。ただこの話は柚希が首を突っ込んでいい話ではないと察したからおばあの意志に沿うことにした。
「柚ちゃん助かるよ。レナもお願いだからおばあの言うことを聞いておくれ」
「でも……。分かった。いいよ」
少し不満があるようだが街から出るということは確定となった
「せめて今日はその友達にお別れの挨拶をしてもいい?」
柚希がおばあの手伝いをする日などはよくその友達と遊ぶといい二人きりでどこかへ行っていたらしい
「いいよ。でも家を出るのは明日の朝6時だからきちんと寝れるように早めに帰っておいで」
「分かった。柚ねえも行こ」
「えっ私も? ついて行くだけならいいけど」
尚レナがその友達と遊んでいたのはその日1日柚希が相手をしてくれなかった日だけであり、柚希とその友達は最後の挨拶ながらも初めて会うことになる
「じゃあおばあ行ってきます」
「はいいってらっしゃい」
夕が訪れる少し前の刻。時刻にして現在4時過ぎ
◇◇
「リオくーん! あーそーぼ!」
とレナが大声で屋敷に向かって叫ぶ。その姿は少し見た目よりも子供っぽい
「またお前か! リオ様に貴様などと遊んでおられる時間はない!」
門番が怒鳴りレナは走って逃げる。柚希はレナが何をしているのかわからずとりあえずついていく
屋敷の裏まで来た時、一人の男。少年よりすこし青年よりの男が待っていた
「やあレナ。今日も遊びに来てくれて嬉しいよ。それでそちらの方は?」
とこちらに目配せをしたと同時、明らかにレナとの挨拶とは違う空気を出した
「この人は前から言ってたお姉ちゃん、柚ねえだよ」
「あぁ、あなたが」と小さく前置きをし
「時々とレナと遊ばせていただいているリオです。以後お見知りおきを」
以後お見知りおきをと言われたため会釈はするが別れの挨拶のために来たため柚希は愛想笑いをしてしまう
「それで今日は何して遊ぶ?」
「その前にひとつ言いたいことがあるの」と前置きをし、意を決した表情でリオの目を捉え
「今日でこの街を出るの! それで唯一の友達だったリオに別れの挨拶をしに来たの」
リオの表情は変わらず
「あっそうなの。分かった。じゃあね今までのレナ」
2人はリオの対応を見て違和感を覚える
リオは柚希の前に立ち、手のひらを彼女に向ける
「君には少し用がある」
そう言い突如として彼女の意識は暗転する
始まりはいつも突然であり、理不尽であり、情など持ち合わせていない。必要なのは彼女が世界へ抗おうとする心なのだ
◇◇
彼女の意識は事直後に覚醒する
今の彼女が感じていることは
「この状況この景色」
ガラスを挟んだ向こうにはかつて自分に何かを託そうとした女性が立ったまま手錠などにぶら下がり、ぐったりとした最悪の光景も目に入った
大学に受かりました作者です。
まだ部屋探しをしたりなんだかんだ時間を避けない状態です




