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2 帰れない理由

よろしくお願いいたします

今現在、我々二人は森を無事に抜けて近くの村まで下りてきていた。ある程度の大きさの村であったので探索者ギルド・・・そう、異世界で云うテンプレがちゃんと存在した。


「ではまず、探索者になりましょう。いろいろと恩恵がありますのでなっておいて損はありません。向こうでいう免許証とほぼ同義です」


免許証と同義、つまり個人を示すものってことか・・・。


「年齢制限はあるのか?」


「車などとは違い、年齢制限はありません。また、職業などもここできめられますよ」


職業・・・俺は何ができるんだろう?工作か?そもそもこの世界に機械があるのか?


「職業ってなにになるんだ?おれは何ができるんだろうか」


先ほどの出来事、狼の件もあった。つまりそういう職業もあるということ、平和ボケした日本から来た俺にとってはその職業はきつい。


「殺しに来た相手を殺す、厳しいでしょうがそういう覚悟が必要です。死にテクないでしょう?」

(まあ殺されそうになったら私が守りますが)


「というか、元の世界に反してはくれないのか?」


異世界、こういうものは永住型か帰還型がある。俺は向こうへ帰れるのか。こちらへ来たときの記憶は鮮明ではないが三鈴が連れてきたことはまず間違いないだろう。


「返すことはできます」


足を止めて、そう言う。


「しかし、私見をいいますと帰ってほしくないというのが本音でございます」


振り返りそのまま言葉を続ける。


「向こうの世界では、あのままあなたは何もせず一生を終えることとなります」


その言い方からしてまるで断定しているかのような言い方。俺も少しムッときて


「それはわからないはずだ。三鈴がすごいのは知っているが」


「裕様、こちらの勝手ではございますがあなたは幼少期、私に関わったせいでこの因果は変えられないのです」


因果律量子論みたいなもんか・・・?その辺は俺はよくわからんが。


「あの時の私はただのちょっと力を持った狐。しかしあなたにこの鈴と名をもらった時からあなたはここに来ることが確定しました。ただの人間であるあなたにそれをはねのける力はないのです。ここまではご理解いただけますね?」


饒舌になった三鈴に押されながら、そのまま話は続く。


「ならば、いやでもこちらでそういう力をつけていただく。表向きはそういう理由です」


・・・ん?表向き?


「だから、先ほども言ったようにあなたと一緒にいたい。こっちが強いですよ」


「隠さないのな・・・」


「隠す必要がありましたか?」


口元を扇子でかくして笑っている。あいつ絶対ニヤニヤしてるぞ!うぜえ!


「・・・ここで俺が抵抗したらどうなる?」


そういうと一瞬で空気が変わり、俺は動けなくなる。


「少々手荒ですが勝負ということになりますね。しかし、私は能力として『勝者』を持ってますからまず裕様が勝つのは無理かと」


なんだそれ・・・条件に当てはめればマジでチートやないですか・・・


「今はそれほどのものはありませんが・・・裕様もいずれそうなりますよ」


・・・うっそだああ、いやだああ。

人間でいたいよおおお


「ま、あきらめてレベルアップしましょう」


あっれ、これ俺しゃべんなくてもよくね?もうそんな気がしてきた。そうかこうやってコミュ障に・・・


「しゃべりなさい」


「あ、はい」


そんなことはなかったぜ!




「で、ここがギルド?」


「そうなりますね、とりあえず登録だけですので早く終わると思います」


そのままドアを抜けるとそこは・・・


「この受付野郎!いいからさっさと仕事寄越せやこらああああ!」


「やろうとは何だてめえ!カードはく奪すっぞこらああ!」


戦場でした。



この世界ってまともな人はいない感じね、わかります。


お読みくださりありがとうございます。

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