1 旅の開始
よろしくお願いします
さて、状況を整理しよう。
俺は変な狼に襲われて、走って、体力なくなって、うわーもうだめだー、金髪お姉さんかっけえ!←今ココ!
って感じで、それでいてなぜか・・・
「裕様裕様~もっと撫でて~♡」
・・・彼女いない歴=年齢の私にとっては拷問です。ありがとうございます。
さてこの経緯を説明しよう・・・
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目の前に立っている彼女はただ一言いうなれば美しい、だろう。
そんな彼女がやった出来事は狼を真っ二つにしたこと。あまりの現実感のなさに自分が出した声は
「あの・・・そんなきれいな服着てるんですから、汚れちゃいますよ」
という、他人への心配だった。この時だけは自分のことが全く考えることができなかったのだ。
「裕様はであった時と変わらずお優しいのですね、しかし自分の心配もしていただかないと」
そういった彼女、三鈴は足を畳、手ぬぐいを出し俺の汗を拭いてくれた。
その顔はまるで人形のように整えれれており、近づかれるだけで心拍数が上がる。まるで、心臓をつかまれたかのような・・・・
「裕様、私の美しさに見とれるのは大変結構ですが・・・いえ、それとも。ここでやりますか?」
挑発的なセリフで和服の胸元をちょっとはだけさせる。自分には特大の爆弾であった。
「お、おい。やめろやめろ!」
「ふふ、さて立てますか?ここではなんですし町まで下りましょう?」
そういわれて、手を差し伸べられる。とって立とうとするが・・・腰が抜けていて立てない・・・だせええ、俺。
「す、すまん今立つから」
見栄を張ろうと、力を入れるがうまく立てずしりもちをついてしまう。
「ふふふ、いいですよしばらくそのままで。私は甘えてますから」
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で、今に至ると。正直、これは全男性にとって最大の毒だ。理性が爆発する。やばい、お姉さんが甘えてくる。私の趣味にどストライク。
「裕様、ひどいですよね。中学生になったとたんあの家からいなって。探すの大変でした」
え、なに?ストーカー?
「ストーカーではありません。見つけたときはまあこんないい男になって・・・」
いい男?馬鹿な、私は一回もモテたこともないぞ!告白なんてもってのほかだ!そんな薔薇色青春ロード歩きたかったわ!
「モテないのは当たり前ですね、私が人除けの妖術かけましたから」
なん・・・だと・・・?馬鹿な、これが私の最期というか!認めん、認められるかこんなこと!
「・・・今気づいたんだけど、心読むのやめてチョーだい」
「あら、それは無理ですね。私と裕様は名前を与えられたと聞からつながっていますよ♪」
女性ってホント、ほんと卑怯。笑った顔だけで許してあげたくなっちゃうんだから・・・俺が甘いだけか。
「さて、こんなところで風邪をひくわけにもいかないでしょう」
三鈴はすっと立ち上がり、そのまま説明を続ける。
「私たちの国に行くのを最終目標として、今は探索者としてカードを作りに近くの村に行きましょう。とりあえずはそこで資金調達とまいりましょう」
そういわれた俺が思ったのは一つ、なんで最初からその国に行かなかったのか、と
「・・・・ほら、誰にも失敗はありますよね?」
ああ、なるほど。
「・・・大変な旅になりそうだなぁ」
そういう自分の口は何故かにやけていた。
お読みくださりありがとうございます。