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婚約破棄

「レイア、貴様との婚約を破棄させてもらう!」

ここは王国に存在する学園の広間。

今日は学園の卒業者を祝うパーティーが開かれている。

その卒業パーティーの最中、一人の少年が声を上げる。

その男の横には、一人の少女がいた。

また、その二人の後ろには、貴族の中でも有力な家の子息や豪商の子息が並び、レイアと呼ばれた少女を睨み付けている。

その中には、侯爵家嫡男であるレイアの兄も混じっている。

「殿下、出来れば理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

レイアは、特に驚く事もなく、まるでこうなる事を予想していたかのように平然として問いかける。

「理由だと? 貴様が私のリリアを虐めたからに決まっているだろう!」

そう言って、少年、この国の第一王子は横にいた少女を抱き寄せる。

「私の伴侶となるのはリリアだ! 貴様のような毒婦ではない!」

その言葉に、リリアと呼ばれた少女は顔を赤らめる。

「それにしても驚きました。まさか私達に気付かれず、このような虐めをしていたとは。」

声を出したのは伯爵家であり、宰相を務める男の嫡男。

「もしも俺がその場に居れば、叩っ斬ってやったものを。」

これは軍の将軍を務める男の次男。

「お前のような者を我が侯爵家に置いておく事は出来ない! レイア、時期侯爵として、貴様を侯爵家より追放する!」

その言葉に、リリアの口元がわずかに釣り上がる。

だが、それに誰も気付かない。

「そうですか。婚約破棄の件について承知しました。皆様も、このような者がいてはせっかくのパーティーが台無しになりましょうから、失礼させていただきますわ。」

そう言って、レイアは踵を返し、広間から立ち去る。

そして誰も気付かない。

レイアの口元が、わずかに釣り上がった事に。

だから彼らは気付かない。

自分達の破滅へのカウントダウンに。

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