1 Start
それは……
現実的ではない光景だった。
…さて、意味不明な文から……
何を想像しますか?
ある年、ある季節の、ある夜から始まった。
これからの話は、理解される代物かはわからない。
ただ、これが日常で起きた話である事だけは……
知っておいて欲しい。
さあ、始めよう。話を…………
1
『……………………???』
ゆっくりと目を開ける。とても瞼が重い。
『あ!!128号室の患者さんが目を覚まされました!!! 』
部屋内に響いた、看護婦の声。白い壁、白いベット、白い照明…………そして、1人の横たわっている少女の周りには、清潔な白衣を着た医師(年齢は50代ぐらいだろうか?)や、叫んだ看護婦など、数人いた。共通点と言えば、みんな焦った表情と衣服ぐらいだ。
『………あ…の…………………』
全身が痛すぎて悲鳴を上げているが、今の状況を把握したくて、声を振り絞る。しかし、それは”やっと聞き取れる”程度の音量でしかなかった。
『まだ喋っちゃいかん! 』
慌てて止められる。素直に、小さく開いた口を閉じる。
『まだ当分安静にしていなさい』
さっきとはうって変わって、落ち着いた、子供に優しく言い聞かせる様な口調で言った。
そして、看護婦や医師は、全員部屋の外に出て行った。軍隊程ではないが、中々まとまりのある行動であった。
2
『しかし、変な話だ。”空から落ちてきた”らしいぞ。128号室の患者は』
今はお昼時。だから、さっきの医師は、数人の他の医師と昼食をとっている。今回は醤油ラーメンらしい。焦げた茶色のスープの真上を、白い蒸気が覆っている。
『それで、天井を突き破った上に全身血塗れだったから、通報者は驚いたらしいぞ』
『幻覚でも見てたんじゃないのか?まあ、重患である事には違いなかったけどな。あ、ソコはアンタ様の腕で一命を取り留めたというワケで………』
『辞めろ。冷やかすんじゃない』
その場を凍らせる様に言い放った。顔も少し不快そうだ。
『お…おう。すまん。で、それでもう一つ……あの患者”ウワゴト”を言っていたらしい』
『それは?』
『えーと……
”………が………………が行っちゃう……………”
だとよ』
『??? 手掛かりが全く無いな』
そう言うと、黄色の麺を啜り始めた。
第1話を読んでくださり、ありがとうございました!!まだまだ駄文でありますが、これからも頑張っていきます。どうか、これからもよろしくお願いします!