裟蔵
お久しぶりです
裟蔵可愛いよ裟蔵←
暗闇の中で一点にライトが当てられ、声が聞こえた。
「はい、残念でしたー」
目の前には不格好な道化師が居た。
道化師はカラカラと笑いながら俺の背後へ回って来た。
「!?」
びっくりしてその場から飛び退くと何かに足がぶつかった。
「奪ってやった。お前の大切な人全部、奪ってやった」
道化師の言葉に弾かれた様に足元を見ると……
「ッッアァァァァァァァァァァァァァァ!?」
夜原の無惨な死体が…
腹を裂かれ内臓を首に結び付けられて左の眼球は抉り取られ、右に押し込まれていた。
陰茎は切り取られていて、口に押し込まれていた。
四肢は幾つもの関節が出来たかのようにあちこちを向いていて爪を全て剥がされていた。
「うぁ……」
「お前の大切な人全部、全部全ぶぜんぶゼンぶゼンブ!!みーんな奪ってやった。お前は一人ぼっち、誰も居ない」
道化師がそう言った後にパッと全体が明るくなった。
辺りを見回すと……
「洸…輝?父さん?母さん?夜原の妹?」
俺の家族と夜原の妹が血まみれになって死んでいた。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?返せ!!返せよ!!」
気が、狂いそうだ……
「そうだ、お前に一つだけ教えてやろう」
道化師が悪意に満ちた笑みを浮かべた途端、俺の姿にかわった。
そして、目の前の俺は人差し指を俺の唇に押し付けた。
「俺はお前だ。お前は俺。こいつらは……俺とお前が殺した」
道化師の言葉に思考が停止した。
「昨日の記憶がないだろ?昨日だよ。俺とお前がこいつらを殺したのは。大切な皆を完全に自分の物にしたかったんだろ?叶ったじゃないか!!夜原がこんな形になるまでなぁ?ほら、見ろよ?お前が望んだ光景だぞ?夜原なんて殆ど原型を留めていないじゃないか?それほど愛していたもんなぁ?」
道化師は笑いながら俺に抱き付いた。
「ウワァァァァァァァァァァァァ!!?」
「怖がるなよ?自分なんだから」
道化師は笑うと首筋に顔を埋め、甘く囁いた。
「ほら……全て思い出せよ?昨日のコトを」
嫌だ。
誰だ?俺の記憶を探るのは
頭が痛い。身体中が痛い。目が回る。グラグラする。音が聞こえない。頭ガ痛イ。身体中ガ痛イ。目ガ回ル。グラグラスル。音ガ聞エナイ。
世界が暗転する。
泣き叫ぶ夜原兄妹。
やめてと懇願する父と母。
なんでと困惑の表情で崩れ落ちる弟。
恍惚の笑みを浮かべ、夜原を無惨な姿に変えている自分。
壊れたテレビみたいに断片的に流れる記憶。
……全部思い出した。
涙で視界が歪む。
「あぁ、そうだ。俺が皆を殺したんだった」
「夜原はお前の名前を何度も呼んでいたな。ずっと、息絶えるまで優希優希って何度もな」
やめろ
「初めて名前で呼んでくれたんだろう?」
やめろ
「それなのに、止めなかった」
「やめろ!!」
「罪は変わらないよ。人を殺したんだもの」
「煩い!!黙れ!!これ以上俺に関わるな!!」
「酷いなぁ、俺はお前なのに」
「お前なんか俺じゃない。お前なんか!!」
そう叫ぶと、再び辺りが暗転した。
「認められないのだったら、お前を殺してあげるよ」
道化師は、もう一人の俺は俺の首に手を回してきた。
もう一人の俺の手にグと力が入り、苦しくなった。
「絞殺、かよ」
そう呟くと手の力が強くなり、意識が遠退いてきた。
「俺がお前になって生きてやるから安心しろ」
道化師がそう言うとナイフを取り出して俺の胸を刺した。
俺は―――――――――
「HappyBirthday!!新しい俺!!新しい裟蔵優希!!」
この日を境に、裟蔵は明るい性格に変わりよく笑うようになった。
成績だって学年一位もとれた。
「……お前が望んだ人格だった俺がオリジナルの人格(お前)を継いでやったんだ、感謝しろよ?俺」
はい。
お久しぶりでした
裟蔵使ってなにかかきたいなと思ってかいていたらこんなものが出来上がりました
裟蔵への愛故です
どうやら私はリョナなようです夜原や裟蔵を殺したら楽しいです←