表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美味しい話  作者: 雨泣
8/14

8


よるご飯を一番乗りで平らげてお風呂も一番乗りに入り、ソファーに座ってよる遅くまでテレビを見ているとお母さんが真央も玲も早く寝なさいよと言って寝室に入って行ってしまった。

洋ちゃんはご飯の後から今まで自室にこもりっぱなしだ。


「俺も風呂入ってこよ」

「いってら〜」


隣に座ってテレビを見ていた玲が立ち上がりお風呂に入りに行ったと同時に洋ちゃんが一階におりてきた。


「洋ちゃんお風呂?」

「うん」

「今玲入ったとこだよ」

「そうなんだ じゃあ待ってよ」


そう言うとソファーに座りにくる洋ちゃん。すかさずソファーに横になって邪魔をすると困った顔をした。確かに美形である。


「洋ちゃんのこと友達がかっこいいってさ」

「ふーん」

「珍しく生徒会がみんなの前で集まったから黄色い声援がすごかったよ」

「ん、聞こえてたよ」


興味なさげに答える洋ちゃん。やっぱモテる男はそんなの些細なことなんだね。

高城兄弟がそんなことになるなんて…薄々気付いてたけど…。


「真央は生徒会でかっこいいって思う人いた?」


私の足を掴んでソファーから降ろしちゃっかりソファーに座る洋ちゃん。


「うーんあんま興味ないとゆうか、目が悪いからそんなに見えてないんだよね」


そう言うと くすくすと玲そっくりな笑い方をする。流石兄弟。


「それじゃ友達に話になんないって言われたでしょ」

「いつものことだよ。あーでも稲葉くんはいいね!」

「有希?そういえば真央と同じクラスだよね」


そう言うとどこか遠いところを見る洋ちゃん。そっちの方角が稲葉くんちなんだ?


「そうそう稲葉くんは喋りやすいの。かっこいいって言われたら違う気もするけど…稲葉くんは可愛い系だよね」

「そうなんだ?」

「かっこいいって言ったらやっぱ洋ちゃんでしょ〜ウリウリ」


肘で洋ちゃんの腕をぐりぐりしながら笑うと洋ちゃんの手が顔まで伸びてきた。


「わっ!」

「ばーか」


私の髪の毛をぐっしゃぐしゃにしながら洋ちゃんも笑っていた。折角髪の毛乾かしてとかしたのにそれはもうぐっしゃぐしゃにされた。


「兄ちゃん 風呂」


洋ちゃんに髪の毛をぐっしゃぐしゃにされているとリビングに風呂上りの玲が入ってきた。


「んじゃ俺も風呂はいってこよ」

「いってら…」


視界をぐしゃぐしゃの髪の毛に奪われたのでとかしながら玲を見ると上半身裸だった。


「玲って結構筋肉あるんだね」


姉弟なので恥ずかしがる事もなくまじまじと腹筋を見てると玲がくすくすと笑った。


「真央なに見てんの、エッチ」


「あのねぇ…お姉ちゃんなんだから見てもいいでしょ〜」

「別にいいけどね」


お茶をガブガブ飲むとコップを置いてこちらにやってくる。ソファーに座る私の腕を引っ張りその場に立たせると朝のようにぎゅっと抱きしめてきた。


「真央ちゃんのお腹はぷにぷにだね」


そう言うとパッと離れてニコッと笑って階段を上って行ってしまった。


「玲…許さん」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ