表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美味しい話  作者: 雨泣
6/14

6


「たーだいまー」

「おかえり真央…なんだか疲れてない?」


トボトボと帰って来た私をお母さんが心配そうに見つめる。本当今更だけど美形2人を産んだだけあって綺麗なお母さんだ。


「ちょっとね 生徒会に玲が選ばれたから」

「あら玲も?あの子ちゃんとやるのかしらね」


よるご飯の支度をしながら話すお母さん。一年前からお父さんは単身赴任だけど子供がみんな食べ盛りだから作る量は半端ない。


「おなかすいたー」

「今作ってるから着替えて来なさい」

「はーい」


お母さんに言われるがままに階段を上ろうとすると玄関が開く音がした。玲か洋ちゃんだ。


「洋司?玲?」

「んー、こっから見えない。けど洋ちゃんかな」


足音で判断する。犬か。


「ただいま」

「あ、ほんとに洋司だわ」

「なにそれ?」


洋ちゃんも少し疲れた顔をして帰ってきた。早速副会長としての仕事でもしたのかな。


「洋ちゃんおかえり」

「ん、ただいま」


ネクタイを緩めながらこちらに近寄ってくる。どうやら部屋に行きたいらしい。先に階段を上りながら洋ちゃんに話しかける。


「玲が選ばれると思ってなかったからびっくりだったよ」

「そうだね。あーでも庶務真央になるかもしんないよ」

「ふーん…




え!?」



庶務?!私?!何故?!なにゆえ?!


「後三段頑張って」


私がその場に固まるものだから洋ちゃんがギリギリまで迫って来て私のお尻をポンと叩いた。

その勢いに任せて階段を上りきると未だ呆気にとられている私の頭をぽんぽんとし洋ちゃんは自室に入って行った。


「いや、いやいや なんで」




その場で立ち尽くすこと10分。洋ちゃんが着替え終わって自室から出てきた。そして私の元までくるとほっぺをびよんと引っ張る。


「真央ちゃーん しっかり」

「ひっはひっへへ、はふへ、ははひはほ」

「ん?」


優しい笑みで私を見つめる洋ちゃん。ほっぺを引っ張られたままだとちゃんと喋れないよ。


「まぁ まだわからないし そんなに重く受け止めなくていいよ」

「…はぁ」


そう言って洋ちゃんはほっぺから手を話し階段を下りて行った。


「おなか減った」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ